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所長ごあいさつ

所長ごあいさつGREETING

所長ごあいさつ

神奈川県立循環器呼吸器病センター所長小倉 髙志

神奈川県立循環器呼吸器病センター
所長

おぐら たかし小倉 髙志

令和44月から神奈川県立循環器呼吸器病センター所長に就任した小倉髙志(おぐらたかし)と申します。

 

神奈川県立循環器呼吸器病センターは、昭和2912月に結核療養所「県立長浜療養所」として診療を開始した歴史のある病院です。時代の経過とともに、結核以外の呼吸器疾患や循環器疾患のニーズが高まり、それらに対応するための施設や人員体制を整備し、循環器及び呼吸器の幅広い高度専門医療を提供する県立の専門病院として、患者さんに寄り添った心あたたかい医療を提供しています。

 

私は呼吸器内科の医師で、当センターが力を入れている間質性肺炎の患者さんを数多く診ています。間質性肺炎は肺の間質を中心に炎症や線維化がおこる肺疾患の総称であり、疾患の種類が多彩で呼吸器疾患の中でも診断が難しいとされる難病です。当センターの間質性肺炎の診断は呼吸器の専門病院の強みを活かし、高精細CT画像や気管支鏡によるクライオ肺生検や呼吸器外科と連携した胸腔鏡下生検による病理診断を加えて検討しています。更に、間質性肺炎センターとして多職種によるチーム医療により患者さん毎に適した治療できる体制を整えています。また、間質性肺炎は未知なことが多く使用可能な薬剤も限られているため、当センターでは積極的な新薬の治験や臨床研究にも力を入れるなど、あらゆる角度から間質性肺炎と向き合っています。その結果、間質性肺炎の治療実績ではDPC制度の対象病院の中で入院患者数が複数年にわたり上位にランキングしています。その他にも第二種感染症指定医療機関の責務である結核、肺がん(肺がん包括センター)、気胸(気胸センター)、喀血(喀血・肺循環・気管支鏡センター)、気管支喘息・咳喘息、肺炎、非結核性抗酸菌症、COPD、睡眠時無呼吸症候群など幅広い呼吸器疾患を網羅し、それぞれの疾患に対する経験豊富な医師たちが医療の最前線を支えています。

 

当センターのもう一つの顔である循環器疾患の治療では、虚血性心疾患、不整脈、心不全を中心に、あらゆる循環器疾患について予防からリハビリテーションまで総合的な医療を提供しています。その一例が令和28月に循環器内科が中心となり開設した「息切れ外来」です。息切れには重篤な心臓や肺の病気が起因しているケースもあることから、「息切れ外来」では呼吸器・循環器の両面に着目した検査を行い息切れの原因を分析します。分析後は運動療法専門の理学療法士が患者さんごとに適切な歩き方のトレーニングを行い、心肺機能の改善だけでなく健康寿命向上の後押しをしています。地域に根差した医療機関として、息切れに悩む声に耳を傾け、積極的な相談や検査受診を促し、継続的に患者さんを支えていく体制を整えています。

 

また、当センターの新型コロナウイルス感染症への対応については、多くの方々からご支援をいただき、この場を借りて御礼申し上げます。当センターは、令和241日に感染拡大に対応する神奈川県緊急医療体制「神奈川モデル」の重点医療機関となり、ダイヤモンド・プリンセス号の患者受入れ以降、非常に多くの新型コロナウイルス感染症患者の入院受入れを行いました。その一方、通常の外来診療や入院についても可能な限り継続してまいりました。新型コロナウイルス感染症の流行は年単位で続き、最終的な終息はワクチンにより集団免疫が獲得されてからになると予測されています。このような中、コロナウイルス感染症感染拡大により生じた様々な変化をどのように従前の形に戻していくのか、このことが当センターの目下の課題であると考えます。当センターには、医師、看護師、医療技術職を中心に、優秀なスタッフが数多く揃っています。皆の力を集約し、課題解決に向けた舵取りをすることが所長に就任した私の責務です。今後も職員一丸となって、県民の生命と健康を守る砦としての役割を果たしてまいります 。今後も引続きお力添えくださいますようお願いいたします。