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第15回 公開医療講座Q&A集

講座・催し lecture

第15回 公開医療講座Q&A集

「進化した手術~心臓血管外科手術の今」 德永講師Q&A集

Q 人工弁の置換術後、何らかの事情で内服薬の経口服用ができなくなった場合、どのように対応していくのでしょうか。
A これは心臓弁置換術(機械弁)後に、他の部位の外科的処置(胃の手術や、ポリープ切除など)が必要で、そのために手術前にワーファリンの内服を一時的に中止しなければいけなくなった場合のことを言われているのだと思いますが、手術前にワーファリンが効き続けていると出血が止まらなくなるために、一般的には手術前5日にワーファリンを中止して手術に臨むことになります。手術が終わり、止血が確認できれば速やかにワーファリンを再開します。ワーファリンを中止している間は機械弁の血栓形成、血栓塞栓症の発生などの危険性はいつも注意しなければなりません。そのため入院中であればワーファリンの効果が弱くなっている間、血液をサラサラにするためにヘパリンという注射薬の点滴を行うこともあります。
心房細動を持つ患者さんや機械弁による弁置換を受けた患者さんでは、生涯にわたるワーファリン内服を必要とするわけですが、当センターでは可能な限り心臓弁形成術(弁の修繕)や、心房細動出現前の早期手術、心房細動が起きた後でも不整脈手術の併用を行うことなどの治療方針により、ワーファリンを必要としない術後生活を可能とするような心臓外科治療を目指します。
Q 家族が腹部大動脈瘤で亡くなったのですが、破裂してどれくらいの時間までに治療すれば助かる確率が高くなりますか。
また破裂に至る前に大動脈瘤の症状は何か出たりしますか。
A 腹部大動脈瘤が破裂しても出血が後ろの壁で抑えられているようであれば、病院までたどり着くことができるかもしれませんが、いずれにせよ緊急手術が必要です(緊急手術の救命率も決して高いとはいえません)。また出血が直接腹腔内に破裂した場合はあっという間に血圧が下がりショック状態に陥るためこの場合の救命率は極めて低いものとなります。
症状は無症状のことも多いのですが腹部大動脈瘤はおなかの拍動性の腫瘤(こぶ)として感じられることもあります。
Q 高年齢の人の臓器は移植できるのでしょうか。
A 臓器を提供する場合、臓器提供適応基準では、おおよそ心臓50歳以下、肺70歳以下、腎臓70歳以下、膵臓60歳以下、小腸60歳以下が望ましいとされています。しかし、この年齢を越えた方でも、医学的に提供が可能である場合もあります。実際に、60歳代の方から心臓をご提供いただいた事例もあります。
Q 2か月後に弁膜・人工血管置換手術を控えています。日常健康ですが3~5%のリスクを伝えられました。手術はどういう時に失敗があるのでしょうか。
A 心臓弁膜手術など一般的な心臓手術の場合には、人工心肺を使い心筋保護液で心臓を停止した状態で手術を行うことになります。このため、心臓手術はやはり大きな手術であると言わざるを得ません。心臓手術の合併症に関する分厚い本もある位です。代表的な合併症としては心不全、不整脈、出血、脳神経障害、肺機能障害、肝・腎・その他の臓器障害、感染症、輸血による合併症、心タンポナーデ、胸水貯留、気胸など、その他数え上げればたくさんあります。それぞれ程度が重症であれば命にかかわることもあります。ただ3~5%のリスクというのは、裏を返せば100人中95~97人は死なないということです。術後、合併症が起こればその治療が必要になるのですが、順調にいけば一般的には手術後2週間で退院できるくらい元気になります。手術をせずに放置しておくことの方が悪い結果になるために手術を必要とするわけですから、その時には必要な手術を受ける勇気を持っていただきたいと思います。
Q 冠動脈バイパス手術を行った場合の費用を教えてください。
A 冠動脈バイパス術や他の心臓手術の多くは高額医療の対象になります。また65才以上の方は高齢者医療の対象となりますので、実際の医療費が何百万円かかっても患者さんの負担は10万円前後(年齢、収入等により違う)となることが多いようです。詳しくは病院事務までお問い合わせください。
こんなに恵まれた医療保険システムを持つのは世界中探しても日本だけです。国民一人ひとり多少の負担は我慢してでも、この素晴らしい医療システムが破綻しないようにしたいものです。
Q 81才男性です。10日ほど前に3cmの腹部大動脈瘤があると診断を受け、手術を受けるべきか迷っています。(現在、血圧下降剤を服用しています)
A 3cmの腹部大動脈瘤ではそのまますぐ手術ということにはならないと思います。今後、定期的にCT検査を行って大きくならないかをフォローすることが大切だと思います。大きくなっても場所や状態によっては手術ではなくステント治療が可能かもしれません。大切なのは血圧をしっかりとコントロールすることです。そのためにも降圧剤をきちんと飲むことや塩分制限を守ってください。
Q 約3年前に循呼センターで心臓バイパス術を受け、その際右太ももの血管を取り冠動脈に使いました。太ももは人工血管が入っているようですが、人工血管の耐久性はどうですか。
A 心臓バイパス手術で使う太ももの血管は静脈で、静脈は豊富なネットワークがあるために採ったあとは人工血管を使ったりする必要はなくそのままにしておきます。
Q いつまでも血管を若く保つにはどのようにすればよいですか?
A 血管は20才を過ぎれば誰でも老化に向かってまっしぐらです。人の老化とは血管の老化とも言えます。ただ、その老化のスピードを速めないためには、血管を傷付けるいろいろな要因(高血圧、高脂血症、糖尿病、肥満、喫煙など)をコントロールすることが大切です。日頃から規則正しい健康的な生活を送ることは血管の老化を遅くすることになります。
Q 心臓に疾患があります(手術については言われていません)。妊娠について不安を抱えています。負担はどう考えるべきでしょうか。
A 一般的な話をすると、妊娠後期には血液量が1.5倍に増えるため、その分心臓に対する負担も増えることになります。心臓疾患と言っても心配の必要もないものからとても気を付けなければいけないものまで様々ですから、妊娠前から産科の先生に良く相談しておく方が良いと思います。
Q 現在、他院で腹部大動脈肥大の経過観察をしています。今年9月には4.4cmとなり50mmを超えたら手術を要するというお話でした。本日先生のお話では60mmになったら手術とのこと、先生がお世話になったご友人も60mmということでどこにその差があるのですか。
A 60mmを超えると破裂の危険性が高いということで、60mmになるのを待って手術というわけではありません(60mmは既に手術適応になってしまっています)。施設によっても違いますが一般的には50mmを超えると手術を考えることになります。ただ、瘤の形や大きくなるスピードによってはもう少し小さいサイズでも手術を考えることになります。

「肺がんをビデオで切る~ここまで来た内視鏡外科」 田尻講師Q&A集

Q 5、6年前から空咳が出ます(特に夜間・朝)。過去2、3回レントゲン検査するも改善されません。咳止めは服用しておらず、その必要もありません。CTまたはMRIなどの検査の必要はありますか。
A まず、お近くの呼吸器内科の専門医を受診して下さい。レントゲンだけでなく、採血やアレルゲンテスト、さらにはCTまで必要かもしれません。とにかく、総合的に呼吸器(気管や肺)を見てくれる専門医に相談するのが良いでしょう。
Q 肺がんの内視鏡手術について、費用はどのようになっているのでしょうか。入院など必要なのでしょうか。
A 内視鏡外科手術のことでしょうか。内視鏡手術は口から入れて簡単な手術を気管 支中で行なうものです。内視鏡外科手術は、内視鏡を使って小さい傷で開胸と同じレベルの手術をおこなうものです。内視鏡の手術は3割負担で30-40万円くらいかかります。開胸より僅かに高いかもしれません。高額医療費返還手続きを行なえば、負担はかなり少なくなります。入院期間は気胸なら術後2,3日ですが、肺がんの場合は5-7日くらい入院してもらっています。
Q 使い捨てということですが、コストはどれくらいかかるのですか。保険適用等実際の費用負担の違い。(開胸手術との比較)
A 最近は、内視鏡外科だけでなく、開胸でも、手術以外の処置でも、感染などの安全対策として、かなり使い捨ての製品が用いられており差は小さくなっています。手術費用は3割負担で10万円ほど内視鏡外科が高くなっていますが、先ほどの高額医療費返還手続きを行なえば、差はなくなります。
Q 内視鏡手術が一層普及する為の障害は何があるとお考えですか。
A 初期費用がかかるため、医療機関の意識改革が必要です。また、独特の技術(将来は一般的な技術となるでしょう)が必要となるため、外科医の卒後教育の改革が必要です。これらは、患者さん側から支持していただければ、容易に変わり得るものと思います。
Q 肺がん初期の治療として、定位放射線治療というのを聞きましたが、実際について知りたいです。循呼センターでは行っているのでしょうか。
A 現在は当センターにはありません。2012年春に稼働開始予定です。詳しい内容につきましては、誌面に限りがあり、簡単には説明出来ませんので、別の機会に譲りたいと思います。
Q 内視鏡手術の場合、肺の場所によってやりにくい場所はあるのですか。
A 全ての肺の手術が内視鏡外科手術でできるわけではありませんが、肺の場所によって変わることは特にありません。
Q 血液検査だけで体内のがんの動きは判断できますか。できるとすると、どの段階からですか。
A 残念ながら、現在のところ判断出来るのは、かなり進行した段階だけです。
Q 肺がんをCTで診るときに他のがんがあるかどうか、全身を調べることができますか。
A 理屈の上では可能ですが、放射線の被曝の量が多くなるため、実際にはお腹から胸までの範囲内だけ調べることが多いです。
Q 間質性肺炎の場合、肺がんの治療はどのように行われるのでしょうか。
A 間質性肺炎の患者さんの場合、最も怖いのは急性増悪といって死亡率の非常に高い合併症です。手術でも起こり得ますが、放射線はもっと起こりやすく、抗がん剤でも起こり得ます。私は、手術可能な方であれば、内視鏡外科手術が最も適切なのではないかと考えております。
Q 気管支鏡検査は苦しいと聞きましたが、循呼センターで受診した場合も苦しいのですか。
A 感覚には個人差があり一概には言えませんが、当センターでもやはりある程度は苦しいかと思います。体に安全な範囲内で麻酔を十分に行なっています。
Q 肺がん摘出後の空間部の対応はどのようになっていますか。
A 肺を摘出した後の隙間がどうなるか、と言うことでしょうか。健康な肺で良く伸びる人は、残った肺が膨らんで隙間は埋まります。重喫煙者など肺の伸びの悪い人は隙間が残ります。この隙間は胸水が溜まりますが、次第に吸収されて、胸郭が小さくなったり、心臓が寄ったり、横隔膜が上がったりして、多くの人は埋まります。でも、肺がとても固い人は、埋まらずに胸水が残ります。
Q アレルギー体質なのですが、(手術の傷の閉鎖に用いる)接着剤は誰にでも使えるものなのですか。
A 現在まで1000人以上の方に使用しましたが、アレルギーを発症したと思われる方は2名だけでした。かなり低い確率と思います。
Q 手術後、呼吸器・循環器以外の部分に合併症が生じた場合、循呼センターで治療ができるのですか。
A 当センターは肺と心臓だけに特化した病院ですので、それ以外の場所に生じた病気は、重症で専門医の治療の必要なものは、他の施設にお願いしております。
Q 左肺上葉を切除して1年8ヶ月経ちますが、まだきついです。
A 「きつい」と言うのは、呼吸のことでしょうか。人間の肺の機能は、ある程度予備の力があるので、通常は胸腔鏡手術で左上葉切除しても、術前に較べて呼吸機能の減少は日常生活に変化がでるほどではありません。術後半年で最大のところまで回復しますので、1年8ヶ月も経っていれば、術前とほぼ変わらない筈です。それでも「きつい」と言うのは、元々の肺の機能が低くて、予備の力がほとんどなかったのか、心臓に負担がかかって心機能に問題が生じているのかもしれません。また、胸腔鏡手術の場合、開胸に較べて傷の痛みはわずかですが、人によっては肋間神経痛が長引く人がいます。この場合「きつく」感じるかもしれません。いずれにせよ、外来でご相談ください。

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