Q |
タミフルの在庫量が話題となっていますが、貴センターの今シーズンの在庫見通しはどうですか。 |
Q |
タミフルの神奈川県の備蓄量は? |
A |
昨シーズンは、ここ十年間で最大規模のインフルエンザの流行があったため、日本では抗インフルエンザ薬のタミフルは1100万人に使用されました。今シーズンは、新型インフルエンザの大流行の危険があるため、1500万人分のタミフルを日本で確保する予定です。タミフルはフランスの工場で生産されていますが、生産が間に合わない状況のようです。日本は世界の生産量の約70%を今まで使用してきましたが、新型インフルエンザの流行に備えてタミフルの備蓄を行うと流通するタミフルの量が減少し、インフルエンザの患者さんに十分使用できなくなってしまうため、現在ではタミフルを県や病院で必要以上に備蓄するのは不可能な状況です。循環器呼吸器病センターでも、インフルエンザの流行程度に合わせてタミフルの在庫管理を行っています。 |
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Q |
鳥インフルエンザH5N1の人から人への感染が進むのはいつ頃ですか。 |
A |
高病原性鳥インフルエンザが、東南アジア、トルコを中心に多くの人に感染し発症しています。これが人から人へ感染する新型インフルエンザへの変異は、1-2年以内に高い確率で起こりうるとインフルエンザの専門家は心配しています。 |
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Q |
タミフルは効果ありますか。 |
A |
新型インフルエンザはH5N1のA型インフルエンザに分類されるため、タミフルは有効と考えられます。 |
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Q |
現在のインフルエンザワクチンは、新型のインフルエンザが流行した場合の効力は無いのですか。 |
A |
現在のインフルエンザワクチンはA型2種類(H1N1、H3N2)とB型には効果はありますが、H5N1と予想される新型インフルエンザには効果は期待できません。 |
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Q |
新型インフルエンザの予防も一般のインフルエンザの予防と同じで良いのでしょうか。 |
A |
新型インフルエンザに対する予防は、現在のワクチンでは不可能であるため、一般的な感染予防策(栄養と休養を十分とる、人ごみを避ける、適度な温度・湿度を保つ、外出後の「手洗い」と「うがい」、マスクを着用する)になります。 |
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Q |
新型インフルエンザについて神奈川県ではどう対策しておられるか。わかる範囲で話して欲しい。 |
A |
新型インフルエンザ流行時には蔓延を防ぐため、神奈川県では、発症者(重症者)の隔離を考え、県内の感染症病床を利用する予定です。循環器呼吸器病センターは、空気感染にも対応できる陰圧病床を平成16年に新築した結核病棟内に60床有しており、大発生時にはこれを利用する予定です。新型インフルエンザが発生した場合、全ての人が免疫を持っていないため、人口の25%が発病する可能性が高く、日本では3200万人が発病すると考えられています。日本全体としては1~2年の間に2500万人分のタミフルを備蓄する予定です。 |
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Q |
肺炎などと肺がんとの違いは、CT・X線写真で判別できるのでしょうか。教えて下さい。 |
A |
肺がんは結節影(円形の陰影)を作るのに対して、肺炎は浸潤影といってX線像では白く曇った陰影を呈するのが一般的で、発熱などの症状と合わせて判別はある程度は可能です。しかし、良性腫瘍、結核、一部の肺炎など結節影を呈する疾患も多く、逆に浸潤影は、肺癌でも認められるため、X線、CTのみで確実に判別するのは不可能です。 |
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Q |
肺炎球菌ワクチンの接種は循環器呼吸器病センターに申込みすれば、簡単に出来るのですか。 |
A |
平日の診療時間内であれば、1年中いつでも接種可能です。予約は必要ありません。来院後、簡単に病状を伺いワクチン接種の適応があれば当日にワクチン接種を致します。 |
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Q |
肺炎ワクチンのワクチン料金はどのくらいですか?保険はききますか? |
A |
接種費用は、5383円です。当センターに外来通院していないかたは、これに初診料が追加されます。肺炎球菌ワクチンは予防接種であるため保険はききませんが、脾臓を摘出したりしている方は健康保険がききます。 |
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Q |
肺炎球菌ワクチンはどこの医療機関でも接種できますか? |
A |
肺炎球菌ワクチンは、過半数の病院で接種可能で、医院・クリニックでも20~30%は接種を受け付けていますが、事前に問い合わせたほうがよいと思います。 |
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Q |
肺炎球菌ワクチンが1回しか接種できない理由は何ですか。 |
A |
肺炎球菌ワクチンの副反応としては、接種部位の反応として接種部疼痛が40.5%と最多で熱感(12.3%)、硬結、腫脹があります。全身反応では、筋肉痛・関節痛(14.3%)、倦怠感(13.5%)がありますが、いずれも3日以内に軽快するため、非常に安全性は高いと考えられています。当センターでは 1000人以上の方にワクチン接種を行いましたが重篤な副作用はなく、発熱が3人に認められたのみでした。しかし、再接種時の副反応として過敏(アレルギー)反応があり、3年以内の再接種で強いとの報告が当初(30年前に)あったため、我が国では再接種は今のところ認められていません。5年以上経過すれば再接種でも全身性の副反応は初回接種時と差がないことが最近報告され、アメリカでは、初回接種後5年以上経過した65歳以上の高齢者は2回目の接種は可能となっています。わが国でも再接種ができるように検討されている最中です。 |
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Q |
何年有効ですか。危険度は? |
A |
肺炎球菌ワクチンを接種すると、肺炎球菌に対する免疫力(抗体価)が1ヶ月以内に平均4.4倍に高まり、その後5年から8年間は免疫が高まった状態が続くとされているため、ワクチンの効果は接種1ヶ月後から始まり約5年間有効と考えられます。しかし高齢者の場合は免疫力の高まっている期間が3年から5年以内と短くなるという報告もあります。 |
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Q |
自分の寿命はわかりませんが、長く生きた場合早くワクチンを受けてしまったら、ワクチンが何年有効かはわかりませんので不安になります。ワクチンをいつ受けるべきかは素人にはどう判断すべきかが困難なので専門医に指示していただけるのでしょうか? |
A |
肺炎球菌ワクチンの有効性が確立しているAランクには、65歳以上の高齢者、2歳以上の慢性心疾患、呼吸疾患、糖尿病、脾臓摘出者があげられ、ワクチンの有効性が期待されるBランクには慢性肝疾患、アルコール依存者が入っています。すなわち65歳以上であれば、健康な方でもワクチン接種が推奨されます。しかし、日本ではワクチンは今のところ1回しか接種できないため、注意する必要があります。平均寿命は80歳を超えており、若いうちに接種するのを控える方もいますが、あまり高齢になるとワクチンの効果も不十分になるため、健康な人でも70~75歳までには接種を済ませたほうがよいと考えます。また、心臓・肺などの病気にかかっている方は70歳前の接種をお勧めします。呼吸器内科の外来担当医にお問い合わせいただければ適切な指示が聞けると思います。 |
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Q |
かぜの原因はウイルスとありました。かぜをひいた時もらう抗生物質はウイルスに対して有効なんでしょうか? |
A |
発熱・のどの痛み・鼻水などの症状がおこり「かぜ」をひいたと思ったときでも、軽い場合は通常自宅での安静により自然に治癒します、症状が強く長引く場合や他の病気にもかかっていて重症化が心配な場合に病院を受診するのが一般的です。急性上気道炎(かぜ)の大部分はウイルスが原因で、インフルエンザ以外はウイルスに効く薬はないため、治療は安静・栄養補給と症状に応じた対症療法(解熱薬・鎮痛薬・咳止めなど)が主体となります。当然ですが抗生物質も無効で、抗生物質(抗菌薬)や解熱鎮痛薬は必要な場合にのみ使用することが大切です。上気道炎における抗菌薬の適応は以下の症状・所見が認められた場合とされています。
- 高熱の持続する(3日間以上)
- 膿性(黄色)の喀痰・鼻汁
- 扁桃腺が腫大し、膿・白苔が付着
- 中耳炎・副鼻腔炎を合併
- 強い炎症反応(白血球増多、CRP陽性、赤沈値の亢進)
- ハイリスク患者(慢性呼吸器疾患・心疾患・高齢者など)
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