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第21回 公開医療講座Q&A集

講座・催し lecture

第21回 公開医療講座Q&A集

肺がなくなる!?~慢性閉塞性肺疾患(COPD)を予防しよう!~ 篠原講師Q&A集

Q COPDⅠ期でも診察を受けたほうが良いですか。もしくは禁煙したほうが効果的でしょうか。
A COPDはⅠ期でも同じ生活を送っていれば進行する可能性がありますので、診察を受けたほうが良いと思います。また、喫煙はCOPDの原因となることが多いので、すぐに禁煙されることをお勧めします。
Q インフルエンザと風邪の違いは何ですか。また、風邪の予防のポイントを教えてください。
A 一般的に風邪は様々なウイルスによって起こりますが、インフルエンザはインフルエンザウイルスに感染することによって起こります。
普通の風邪の多くは、のどの痛み、鼻汁、くしゃみや咳等の症状が中心で、全身症状はあまり見られません。発熱もインフルエンザほど高くなく、重症化することはあまりありません。
一方、インフルエンザは、38度以上の発熱、頭痛、関節痛、筋肉痛等全身の症状が突然現れ、併せて普通の風邪と同じように、のどの痛み、鼻汁、咳等の症状も見られます。ご高齢の方や免疫力の低下している方では肺炎を伴う等重症になることもあります。
風邪の予防のポイントは、①手洗い、②多くの人が集まる場所への外出を控える、③風呂あがりの湯冷ましを起こさないことなどが挙げられます。
Q 気管支拡張症のための具体的運動方法はありますか?
A 気管支拡張症固有の運動療法はありませんが、喀痰が多く出るような方には体位排痰ドレナージが良いと思います。痰が出やすいポーズを覚えて痰を出すのがコツです。
Q COPD増悪の初期サインをもう少し具体的に教えてください。
A 1週間から10日前くらいから、軽い咳や痰、食欲不振や、わずかな呼吸困難などの症状が始まっていることが多いです。このような症状がしばらく続いた後に本来の増悪症状が出現します。
Q COPDと軽めの気管支炎の50代ですが、朝起きると白い粘りのある痰が何回かたくさん出ます。薬、有酸素運動、規則正しい生活を心がけていますが、仕事のストレスがあるので仕方ないのでしょうか。また、気持ちや意識的なことにより、お昼や電車で痰が出やすくなることはありますでしょうか。
A 朝は、夜間にたまった喀痰を出すために、たくさん出ることが多いです。心理的、精神的なことで、咳や痰が多くなることもあります。
Q 職場で15年間副流煙を吸い続けていました。職場で煙を吸って胸が苦しくなったこともあります。職場を離れ、10年ほどたっていますがCOPDになってしまう可能性はありますでしょうか。
A 副流煙でCOPDになる可能性はあります。職場から離れて副流煙を吸わなくなれば、COPDになる可能性はかなり低くなると思います。
Q 階段を上がると胸が苦しくなり、特に運動をしたわけではないのに胸痛が起こるのはなぜでしょうか。
A 呼吸器や心臓の問題(狭心症など)が考えられますので、早めに診察を受けたほうがよいと思います。
Q 肺疾患の影響による喀痰と鼻炎などの影響によって出てくる痰の見分け方はありますか。
A 痰の見分けはなかなか難しいですが、鼻炎から出てくる痰は、ご自分の感覚として鼻の奥で上から下に鼻汁が流れていく感覚があることが多いので、そのあたりが鑑別点になるかと思います。

今日からできる呼吸リハビリ~あなたに教える専門家のわざ~ 佐々木講師Q&A集

Q 水分を取ると良いとのことですが、冷水でも良いでしょうか。家族が、常温や温かい水を接種するのを嫌がります。
A 特に冷水はいけない、ということはありません。一度にたくさんの量を飲まずに、のどを潤す程度の量を適時飲まれるといいと思います。
Q 食べても太らない体質ですが、太るコツはありますか?
A 呼吸器疾患の方で体重が少なくなっている人は、食事による摂取量が少なくなっている可能性があります。食欲がない、食事をすると息苦しくなるなど、さまざまな理由があるようです。必要な栄養素を過不足なく、本人好みの味付け、そして少量で食事回数を多くするなどの工夫をするといいと思います。
Q 痰がほとんど出ませんが、異常でしょうか。よく医師から痰の出方や色を聞かれますが、ほとんどでなくて困っています。無意識に飲み込んでいるのでしょうか。
A 呼吸器疾患の方は、必ずしも痰が出るとは限りません。また、痰が少量の場合は、飲み込んでいることが多いと思います。普段、痰が出ない方が、急に痰が出てきた時は、感染などが疑われますので医療機関を受診されることを勧めます。
Q 包括的呼吸リハビリテーション入院のスケジュールと費用を教えてください。
A 10日間の入院です。診療内容は、①医師による診察・各種検査・病状・療養上の注意点などの説明 ②理学療法士による呼吸方法・痰の出し方・体操・筋力トレーニング・必要酸素量の確認・歩行練習などの実技 ③管理栄養士による食生活の確認・必要摂取カロリーの算出・適切な食事内容と味付けの工夫などの説明 ④薬剤師による薬の確認と適切な服薬方法などの説明 ⑤看護師による酸素療法の説明・感染予防方法・日常生活上の工夫と注意点などの説明が行われます。
費用は3割負担の場合、平均12万2千円です。
Q 4年前に左肺を全摘出しています。現在、階段をのぼると息切れをしてしまいます。定期運動で残りの肺を強くすることはできますか。
A リハビリテーションでは、肺を強くすることを目標としていません。運動などにより身体を鍛えて、より息切れが少なくなる「エコな身体作り」を目指しています。そのために呼吸方法・筋力トレーニング・歩行練習・有酸素運動などを行っていきます。
Q 運動時の虚血症状とはどのような症状ですか。
A 心臓血管の血流量が少なくなることで胸痛が出現します。狭心症の症状です。呼吸器疾患の約20%の方に狭心症の症状が現れると言われています。
Q 動脈血検査でPO2とは何ですか。
A PaO2のことだと思います。動脈血酸素分圧のことで、肺における血液の酸素化能力の指標です。健康な人の場合、平均値は80~100torrです。
Q 酸素飽和度とは、6分間歩行を行う検査の事ですか。これが85以下になったらどうなるのですか。
A 6分間歩行試験の時に測定する経皮的酸素飽和度(SpO2)のことですね。 指先にパルスオキシメータを装着して、動脈血液中の酸素飽和度を測定します。注射での採血とは異なり、指先に装着するだけですので、痛みもなく連続して測定することが出来ます。この値が90%以下になると、肺におけるガス交換能力が低下していることを意味し、呼吸不全の可能性があります。
Q リハビリ体操のCDは売っていますか?
A 現在、シクソトロピーストレッチ体操のDVDの販売は確認できていません。
Q SpO2をどのように確認するのでしょうか。90%以下になるとどんな症状になるのでしょうか。
A パルスオキシメータを使用します。この値が90%以下となると低酸素血症の状態となり、低下度合いの進行により心拍数の増加、記憶の障害・判断力の障害、組織へのダメージ、意識不明など身体への影響が出現します。

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