第22回 公開医療講座一問一答
Q | 主人が糖尿病予備軍でブドウ糖になりにくい薬を使っています。食べても良い食べ物や悪い食べ物はありますか。 |
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A | どのお薬を内服されていても、糖尿病の食事の基本は皆様同じです。予備軍の方が食べて悪い食べ物はありません。野菜・おかず・主食の順番で召し上がると血糖値が急激に上がりにくい食べ方となります。間食を控え、3食過食にならず、規則正しい生活を心がけてください。そして上手にお食事を楽しんでいただきたいです。 |
Q | 赤ワインか白ワインを寝る前に少し飲むと良いと雑誌に書いてありましたが、75歳まで飲酒の経験がなく、試してよいか悩んでいます。 |
A | 赤ワインに多く含まれるポリフェノールのことかと推測いたしますが、今まで飲酒のご経験がないのでしたら、今後も引き続き飲酒はしない方がお勧めです。アルコール自体が血糖値や脂質のコントロールに悪影響を及ぼすこともありますので注意が必要です。 |
Q | おやつについて、15時頃は100kal程度なら食べても太りにくいと本で読んだことがあるのですが、糖尿病の方はおやつは食後すぐに食べて、ダイエットは15時頃が良いのでしょうか? |
A | 様々な情報があり、悩まれることとお察しいたします。糖尿病の良好なコントロールのためには、間食はしない方がお勧めです。おやつは朝か昼の食事後にすぐ食べた方が良いです。ただし胃の切除術をされた方で、1回の食事量が極端に少ない方は、分食と言って3回の食事を4回から5回程度に回数を分けて食べることがあります。 |
Q | 食べても血糖値に影響しにくいおやつの例があれば教えてください。 |
A | 食べることにより血糖値は高くなったり低くなったり、必ず影響があります。適量の果物やカロリーコントロールアイスは血糖値の影響が少ないほうです。血糖値があがりにくいものは糖質の少ないもの、0kal表示のあるデザート類です。(0kalの表示のものも多用は良くないです。) |
Q | 具体的な栄養相談を病院、保健所で受けたが、納得の行かない粗悪な対応を受けるのが常である。どこへ行けば相談できますか? |
A | 栄養相談は病院やクリニックにて行われています。まずは、主治医にご相談ください。栄養相談の際は、実際のご自身の状況をきちんとお伝えして、納得できるところまで相談するのが良いと思います。 |
Q | 0カロリー飲料や、人工甘味料を砂糖代わりに常用することに害はあるでしょうか? |
A | カロリー0と表示されている甘味料には“サッカリン”、“シクラメイト”、“アスパルテーム”、“スクラロース”などがあり、清涼飲料水に使われることが多くなっています。低カロリー甘味料などの人工甘味料の使用は、血糖コントロールが必要な糖尿病患者には有効ですが、多用してしまうと甘い味に対して鈍感になり、より強い甘い味を好むようになってしまうことに繋がります。その結果、人工甘味料を使用していない食品であってもついつい摂取を増加させ、血糖コントロールを乱す可能性が強くなります。低カロリー、血糖値上昇に関与しないといって、これらの甘味料をむやみに摂るという食習慣にならないように食事の中に取り入れましょう。 ※ 安全性についてはまだ研究されているところなので摂りすぎには注意しましょう ※ 日本栄養士会ホームページより抜粋
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Q | 朝食前に、牛乳(200cc)にごま入りきなこを入れて飲んでいるが続けて良いでしょうか? |
A | ごまは油脂類に分類され高エネルギーの食材です。きなこはたんぱく質に分類されますのでそれぞれ計算が必要になります。牛乳に入れて飲むことは悪いことではありませんが、他の食品とのバランスや量に気をつけてください。量がわからないときは栄養士にご相談ください。 |
Q | 薬の副作用か、朝食後寝たきりになってしまうのでお昼にお腹が空かず昼食を抜くことが多いです。 そして16時頃にお腹が空いて間食をしてしまいます。夕食は軽く摂っていますが良いのでしょうか。 |
A | 午前中の倦怠感がお辛いようですね。現在朝食として食べている量を少し減らして、その減らした分を昼に召し上がるようにしてはいかがでしょうか? |
Q | 循呼センターでは糖尿病の患者の食事や運動について具体的にどの様に指導しているのでしょうか?なかなか長期的に続けられないので、工夫があれば教えて欲しいです。 |
A | 個別の療養相談や栄養相談で、その方々の生活やお悩みを伺いながら具体策を一緒に検討しています。 何事も習慣化するまでがご苦労されると思います。実行可能な小さな目標を一つ一つ習慣化させていくことが成功の秘訣かと思います。また、ご家族や日頃近くにいらっしゃる方々に、その目標を宣言して、協力をいただくことも成功の秘訣です。 |
Q | 脂肪筋の解消方法を教えてください。 |
A | どのような運動でも結構ですので、体を動かすことです。ウォーキングなどの有酸素運動も良いですし、筋力トレーニングでも良いです。1日1万歩歩けましたら素晴らしいですね。ただし、くれぐれも無理になさらず、最初は「ちょっと物足りないな?」いう程度から始めて、強度や回数などを無理なく増やしてください。運動は避けた方が良い方もいらっしゃいますので、主治医と確認をしてから行ってください。 |
Q | 朝食を摂らないで運動すると効率よくカロリー消費につながると思っていたが、実際のところどうなのでしょうか? |
A | 食後の運動は効率よく糖分を活用しますので、食後1時間位で運動をすると良いとされています。特にインスリン分泌促進薬やインスリン注射を使用している方は、低血糖の原因になりますので、空腹での運動は避けてください。食べた後に運動するのはどうしても辛いという方は、例えば朝分の果物をちょっと食べてから運動する。等がお勧めです。 |
Q | パンとお肉の組み合わせは糖尿病、コレステロール対策では避けたほうが良いのでしょうか?野菜中心の生活では満腹感のない食生活になってしまいそうです。 |
A | 糖尿病だからと言って食べてはいけないものはありません。野菜を多めに先に摂って、それからお肉やパンなどの美味しいご馳走を、後から味わって食べる。という考え方ではいかがでしょうか?どの食品も「過食にならず、偏らず」を意識して召し上がってください。 以下の話しは療養相談をお受けいただいた患者様が実践されていることなのですが、その方は、病院の診察日に食べ放題に行くことを楽しみにしているそうです。受診日までは食事に気を付けて、受診日に自分へのご褒美として、その日だけは大いに食べて楽しむそうです。食事は楽しむものでもありますので、糖尿病と上手にお付き合いしながら楽しむ方法が見つかると素敵ですね。 |
Q | 昔から睡眠が浅く、短い。運動をしても長く眠れないような場合はどのようにすれば最適な眠りをとることができますか? |
A | 良質な睡眠がとれないのはお辛いですね。公開講座でお話させていただいた内容をご注意いただきたいのですが、そのほかにお勧めは、寝る前にぬるめのお湯で下半身浴をしたり足湯をしたりすることで、リラックスする神経が優位になると言われています。また、お気に入りの香りを嗅ぐ。なども同様の効果があります。寝具や枕も重要ですね。様々なことを試していただいても熟眠感が得られないときは、主治医の先生とご相談いただき、薬の力を借りて、しっかり眠ることも大切です。 |
Q | 10年以上食生活に注意をしてはいるが、HbA1cの値が年をとるごとに上昇してきている。これから注意すべき点を教えてください。 |
A | 日々の頑張りが結果に出ないと落胆してしまいますね。正しい食事や運動を厳守していても糖尿病のコントロールが悪化してくる方はいらっしゃいます。その場合は、主治医の先生に頑張っていただかなければなりません。しかし、残念ながら少し間違った取り組みをされていたりすることで、頑張りが結果に出ないという方もいらっしゃいます。今一度、栄養相談や療養相談をお受けいただいて、現在の取り組みが正しいかどうかの確認をしていただくとよろしいのではないでしょうか。また、HbA1cの目標値はご年齢や病気の経過によっても変化してきます。主治医の先生とご自身の目標値を改めてご確認してみてはいかがでしょうか。 |