朝夷奈切通し(朝比奈切通し)
鎌倉は三方を山に囲まれ、防御上非常に有利な地形をしていましたが、人や物資の行き来には不便であったため、山の稜線を切り開いて道を作りました。これを切通(きりどおし)と呼びます。
鎌倉とその外を結ぶ切通のうち主なものを「鎌倉七切通」または「鎌倉七口」と呼びます。朝夷奈切通は、鎌倉七切通(名越切通、朝夷奈切通、巨福呂坂、亀ヶ谷坂、仮粧坂、大仏切通、極楽寺切通)のなかで古道の面影をもっとも良く残した国指定史跡です。鎌倉と六浦(横浜市金沢区)を結ぶ切通のため「六浦口」とも呼ばれ、鎌倉の東側の守備の拠点であったと考えられています。また鎌倉へ様々な物資、なかでも塩を運ぶための重要な交通路でした。
・参考:鎌倉市ホームページ「鎌倉観光公式ガイド-鎌倉七切通」(参照 2023-08-09)
六浦口から歩いていくと、しばらくは車の走行音が聞こえますが、10分程で鳥と賑やかなセミの鳴き声のみになります。それにつれ、暑さも和らいできます。道に水が染みだし木陰のため、見た目にも涼しいです。足元は滑りやすく、決して歩きやすくはありませんが、昔はこんな道を、重い物資を運んで歩いていたのかと思うと畏敬の念を感じずにはいられません。
猛暑が続いております。お出かけの際は、熱中症に気をつけてお過ごしください。