治療抵抗性高血圧外来
診察室血圧が140/90 mmHg以上で高血圧と診断されますが、収縮期血圧がわずか5mmHg下がるだけで、以下のように重大な心血管イベントのリスクが大きく下がることが分かっています。
| -13% | -8% | -13% | -5% |
|---|---|---|---|
| 心不全 | 虚血性心疾患 | 脳卒中 | 心血管死亡 |
収縮期血圧を5mmHg下げた時の相対リスク低下(発症)
| 約4,300万人 | 約3,100万人 | 14〜16% |
|---|---|---|
| 国内の高血圧患者数 | 血圧が管理不調の方 | が治療抵抗性高血圧 |
(高血圧管理・治療ガイドライン2025より)
現在の一般的な降圧目標は、診察室血圧で130/80 mmHg未満、家庭血圧で125/75 mmHg未満。しかし、利尿薬を含む作用の異なる3剤の降圧薬を用いても血圧が目標値まで下がらない「治療抵抗性高血圧」の患者さんは、降圧治療中の方の概ね14〜16%にのぼるとされています。
腎デナベーション(Renal Denervation:RDN)は、カテーテルを用いて腎動脈周囲の交感神経の過活動を抑え、血圧を下げる新しい治療法です。当院では、薬物療法だけでは血圧コントロールが難しい治療抵抗性高血圧の患者さんを対象に、専門外来での評価・ご相談を行っています。地域の医療機関の先生方からのご紹介をお待ちしております。
こんな患者さんはご相談ください
次のような患者さんは、腎デナベーションの適応となる可能性があります。
- 利尿薬を含む異なるクラスの3剤以上の降圧薬を、最大耐用量に近い用量で服用しても血圧が目標値まで下がらない方
- 減塩・運動などの生活習慣改善に取り組んでも、血圧コントロールが不十分な方
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⚠ 適応にあたっての注意 eGFR 40 ml/min/1.73m²未満、腎動脈瘤や腎動脈狭窄がある場合は腎デナベーションの適応外となります。また二次性高血圧がある場合は、その治療が優先されます。これらの除外診断を含め、当外来にて評価いたします。 |
② 腎デナベーション(RDN)とは
太ももの血管(大腿動脈)からカテーテルを挿入して腎動脈まで進め、超音波エネルギーまたは高周波エネルギーにより腎動脈周囲の交感神経を穏やかに焼灼する治療です。全身麻酔は不要で、身体への負担が少ない低侵襲治療として行われます。当院では3泊4日の入院となります。
③治療のしくみ
大動脈から分岐する左右の腎動脈には、血圧の調整に関わる腎交感神経が走行しています。カテーテルを腎動脈内に進め、複数箇所で超音波照射(または通電)を行うことで、この神経の過活動を抑制します。超音波照射(または通電)は両側の腎動脈に対して行い、片側あたり数回繰り返します。
④期待される治療効果
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診察室血圧 平均 約5〜10 mmHg 低下 降圧効果は少なくとも3年間持続することが報告されています 少数例の検討では8年以上持続することも報告されており、今後のデータ集積が待たれます |
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心血管リスクの低減 降圧圧低下により、心不全や心筋梗塞、脳卒中、心血管死亡などのリスク低減が期待されます |
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日本高血圧学会「高血圧管理・治療ガイドライン2025」 腎デナベーションは、治療抵抗性高血圧に対する補助療法として新たな治療選択肢となり得ることが明記されました。 推奨の強さ:2 / エビデンスの強さ:B / 合意率:100% |
⑤多職種による診療体制(HRTチーム)
腎デナベーションは、日本高血圧学会・日本心血管インターベンション治療学会(CVIT)・日本循環器学会の3学会からなる「日本腎デナベーション協議会」の適正使用指針に基づき、多職種で構成される「高血圧腎デナベーション治療(HRT)チーム」が担当します。
| 高血圧専門医(JSH認定) | 適応判断・治療方針の決定を担当 |
| 循環器専門医(CVIT/JCS認定) | カテーテル治療を担当 |
| 看護師 | 生活指導・服薬指導 |
| 薬剤師 | 薬物療法の確認 |
| 管理栄養士 | 食事・減塩指導 |
⑥ご紹介の流れ
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1 紹介状のご準備 既往歴・服薬内容(降圧薬含む)・家庭血圧記録などをご記載ください |
2 外来予約 地域連携室よりご予約ください |
3 精査・適応評価 採血・尿・心電図・エコー・CT・ABPMなど必要な検査をHRTチームで評価 |
4 治療・フォローアップ 適応ありと判定された場合、RDNを実施し定期的に経過観察を行います |





