概要
「胸が痛い」「胸がしめつけられる」「胸に圧迫感を感じる」などの胸部の症状を示す代表的な病気に、「狭心症」や「心筋梗塞」があり、早急な診断と治療の開始が求められます。
胸痛外来は、造影剤を使用して5分寝ているだけのCT検査で狭心症や心筋梗塞の診断を速やかに行う外来です。何らかの胸部(心臓)の症状があり、高血圧、脂質異常症、糖尿病、喫煙、肥満等に当てはまる方は、胸痛外来を受診されることをおすすめします。今、持続する強い胸痛がある場合は、急性心筋梗塞の可能性があります。15分で改善なければ、救急車を呼びましょう。横浜市では、救急隊が心電図を記録し、急性心筋梗塞の診断に役立つ体制をとっています。救急隊が必要と判断すれば、当院のように救急で24時間365日カテーテル治療を行う適切な病院に搬送してくれます。
心臓CTの正常と病気
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特徴・特色
- 胸痛外来は、「狭心症」や「心筋梗塞」の診断を速く正確にするために心臓CT検査等を行う特殊外来です。
まず循環器内科医師の診察を行います。診察の結果、他の病気が疑われる場合や心臓CT検査に適さない(特に腎臓の機能が悪い場合)場合は、一般外来(循環器内科)として対応させていただきます。 - 初診の方、紹介状をお持ちでない場合でも受診可能です。平日の受付時間内(午前8時30分~午前11時00分)に来院していただき、総合受付①番で胸痛があるとお申し出ください。当日は、問診・血液検査・心電図を施行し、心臓CT検査が必要かどうかの判断を循環器内科医師が行います。
- 心臓CT検査の撮影は最先端の超高速320列CTを使用します。被ばくについては、身体への影響が極めて少ない性能を有していますので、安心して検査をお受けいただけます。 また、造影剤を使用しますので、腎機能が悪い場合や造影剤アレルギーがある場合は、検査ができないことがあります。
- 心臓CTは、狭心症・心筋梗塞の診断が正確にできるだけではありません。現段階では狭心症でなくても、将来的に狭心症になりやすいかどうかもわかります。狭心症レベルの狭窄がなくても、軽度から中等度の狭窄があることがわかれば、コレステロールや血圧、糖尿病等の生活習慣を見直せば、予防も可能です。特にLDLコレステロール等を薬でしっかり管理すると動脈硬化の進行が防げると科学的にも証明されています。逆にまったく動脈硬化がなければ、不必要なコレステロールを下げる薬をやめることもできます。ただ放射線被ばくがあるので、50歳以下の若い方は慎重に適応を考える必要があります。
- 診療費の自己負担は、3割負担の方で約17,000円、1割負担の方で約6,000円となります。
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虚血性心疾患(狭心症・心筋梗塞)
虚血性心疾患とは?
心臓の筋肉(=心筋)に血液を送る冠状動脈が狭くなったり(狭窄)、塞がったり(閉塞)して、心筋への血液の流れが悪くなり、心筋が酸素不足に陥る状態を虚血性心疾患と呼びます。
原因
多くの場合、動脈硬化が原因ですが、冠状動脈が異常に収縮(攣縮)することによっても起こります。動脈硬化による場合は労作時に起こることが多く、攣縮による場合は安静時に起こり、喫煙によって誘発されることがあります。
高血圧、脂質異常症、糖尿病、喫煙、肥満、心臓病の家族歴などの危険因子を持っていると、急性心筋梗塞や狭心症になりやすい傾向があります。
診断
胸痛の原因を見つけるために、診察の結果、検査が必要な患者さんには心臓CT検査、血液検査、心電図、心臓超音波検査を速やかに行います。心臓CT検査の撮影は最先端の超高速320列CTを使用します。心臓及び周辺血管の高精細な画像を得ることができるとともに、迅速かつ正確な心機能評価を行うことができます。
心臓CT検査と胸部CT検査
心臓CT検査は、心臓の状態や働きを詳しく診る検査になりますので、心臓以外の病気である呼吸器の病気(肺がん等)を見つけるには限界があります。その理由として、心臓CT検査では、近接する臓器(心臓や血管、横隔膜など)と重なり、小さな肺がんの発見が困難な場合があります。肺の病気が気になる方は、当センターの肺ドック(予約制)をおすすめいたします。
主な診断装置
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心臓と血管
冠動脈は心臓の筋肉に酸素と栄養素を運ぶ重要な血管です。
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動脈硬化
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受診
受付時間 午前8時30分~午前11時00分 総合受付①番までお越しください。
(休診日 土曜日・日曜日・祝日・年末年始12月29日~1月3日)
循環器内科の医師が診察します。予約は不要です。初診の方、紹介状をお持ちでない場合でも受診可能です。
※初めて循環器内科に受診する場合は、原則として紹介状が必要ですが、胸痛外来は紹介状不要です。
※糖尿病の方は当日、糖尿病の薬はお飲みにならずにご来院ください。お薬を内服されていますと当日、心臓CT検査ができない場合があります。
医療機関の方へ
緊急処置が必要な患者さんの場合は、ご一報いただければ即時対応させていただきます。
医療機関の皆様向けにはホットライン(365日24時間対応)を開設しております。
詳細は地域連携室より連絡させていただいておりますが、いまだ案内が届いていない、ご質問等ございましたら、お気軽に「地域連携室」までご連絡ください。
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