蝋梅の花
神社の境内、冷たい風が甘い香りを運んできました。「蝋梅の花」です。
蝋梅(ろうばい)は1月から2月にかけ小さな黄色い花を咲かせるロウバイ科の落葉低木です。名前に「梅」がついていますが、ウメはバラ科、まったく異なる種類です。梅の咲くころに香りのよい花を咲かせること、蝋を塗ったような花の質感から「蝋梅」という名前がついたとの説があります。
細く上品な枝はまっすぐに天に伸び、桜のような華やかさはないものの、その凛としたたたずまいは名だたる文人たちを魅了しました。中でも芥川龍之介は「蝋梅」という短文の結びで
「蝋梅や 雪うち透す 枝のたけ」
と詠み、また夏目漱石は短編集「永日小品」の中に蝋梅が登場する作品を残したことで知られています。
「蝋梅」の英語名はWintersweet(冬の甘いかおり)。早春、寒さ厳しい中に咲く蝋梅は、ヒヤシンスやスイセンに似た甘い香りで、私たちに春の訪れを感じさせてくれます。


