
循環器内科のご案内
三大成人病の一つである心臓病は、心筋梗塞、狭心症、心不全、不整脈が主ですが、いずれも発症から治療までの迅速な診断と治療が、生命予後を左右します。当センターは、診断に不可欠な血管撮影装置2基、更にマルチスライスCT、MRIが使用可能であり、夜間・休日でも、専門のスタッフが最新の知見に基づき的確な診断・治療を行っています。
さらに、常勤の心臓血管外科専門医チーム、心臓専門の麻酔医もいます。冠動脈バイパス術、解離性大動脈瘤、血管閉塞等の迅速な手術も一部対応可能です。
当科の主な実績(平成30年度)は、心臓カテーテル検査(冠動脈造影のみ施行)726例、経皮的冠動脈形成術(PCI)236例です。(※冠動脈:心臓を取り巻く血管で、心臓に酸素と栄養を送る。)
![]() |
![]() |
経皮的冠動脈形成術(PCI)前 | 経皮的冠動脈形成術(PCI)後 |
動脈硬化性疾患は、冠動脈だけでなく全身の血管に及ぶことが特徴で、末梢の血管(下肢の動脈や腎動脈)の狭窄に対しても、カテーテル治療を積極的に行い、全身の管理に努めています。
緊急時の処置に力を注ぐのと同様に、心臓病の予防、早期発見および再発防止にも力を入れています。心臓病は突然発症しますが、実はその影に潜む生活習慣病を放置していたことが原因であるケースが多いのです。また、ひとたび心臓病を発症すると再発率が高いという特徴があります。このため、緊急時だけでなく、予防から再発を防ぐリハビリまで心臓病をトータルで捉えることを当科の理念としています。
心臓病予防を目的の1つとした治療
糖尿病は心臓病の大きなリスクであり、糖尿病の専門医が常勤しています。
早期発見
320列マルチスライスCTにより、外来でも冠動脈狭窄の早期のスクリーニングが可能です。さらに、被ばくなし・造影剤なしで冠動脈を直接評価できるMRIも導入され、2020年4月にには最新のMRIに更新、その性能を向上させたので、冠動脈のさらなる精密な評価が可能になりました。2011年3月からは心臓ドックを開始しました。
![]() |
![]() |
CTによる心臓(冠動脈)の撮影写真 | MRIによる心臓(冠動脈)の撮影写真 |
再発防止
心臓病は、治療後のリハビリテーションが欠かせないことから、まだ日本では少ない心臓専門のリハビリを行う理学療法士が常勤し、入院中のみならず、外来でもリハビリテーションを行っています。他院通院中の患者さんも希望があれば心臓リハビリテーションは可能です。
心臓リハビリテーション
不整脈に対しても専門に診る医師を配し、内服治療の選択、ペースメ-カー植え込み術、カテーテルアブレーション、植え込み型除細動なども必要に応じて行うようにしています。
特に心房細動に対して、外来で、効率的に検査を行いわかりやすい説明を受けられる心房細動センターを開設しました。心房細動は直ちに命にかかわる病気ではありませんが、放置しておくと脳梗塞のリスクが増し、初期対応が大切な病気です。カテーテルアブレーションという積極的な治療法も年200件以上行っています。
植え込み型除細動器(ICD)植え込み術は、重度心不全患者に適応しています。