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間質性肺炎

間質性肺炎とは?

間質性肺炎のCT画像 肺はスポンジのように柔らかく、細かい網目状の構造をしています。
 そこで酸素と二酸化炭素のガス交換を行っています。ガス交換は肺胞壁(狭義間質)と言われるところで行われますが、そこに炎症を生じた結果、線維化をきたす状態を間質性肺炎と言います。線維化の結果、肺が硬くなり弾力が低下して、ガス交換に障害を生じ様々な症状をきたします。

症状

 健康診断などで発見される場合、無症状で受診される方も多いですが、一般的な症状は咳(痰があまり絡まない乾いた咳)や、動いたときに感じる呼吸困難感です。

種類

 大きく分けると、原因不明のものと原因が分かっているものに分けられます。

  1. 原因不明のもの
     総称して特発性間質性肺炎と呼ばれます。病気の部分の組織により更に細分されますが、最も頻度が高いものは特発性肺線維症(idiopathic pulmonary fibrosis:IPF)と呼ばれます。慢性的に経過しますが、難治性で予後不良です。その他、非特異的間質性肺炎(NSIP)、剥離性間質性肺炎(DIP)、器質化肺炎(COP)などがあります。高分解能CTや気管支内視鏡、胸腔鏡下肺生検などにより診断し、診断に合わせた治療を行います。
     特発性間質性肺炎は、国の特定疾患に指定されています。診断基準を満たし、特発性間質性肺炎と診断された方のうち、重症度分類がIII度以上にあてはまる方は、医療費の補助が受けられます。
  2. 原因の明らかなもの
     関節リウマチなどの病気を含んだ膠原病、薬剤性(抗菌薬、漢方薬、抗がん剤など)、職業性である塵肺(アスベスト、珪肺など)、過敏性肺炎(夏型、鳥飼病など)、放射性肺炎などがあります。これらの診断には問診と診察、検査が必要になります。
診療

 間質性肺炎は比較的まれな疾患で、その診断・治療方針の決定には専門的知識が必要です。当センターでは専門外来を設け、全国から多くの方々を受け入れています。近隣の大学病院をはじめ、多くの病院からも紹介していただき、年々患者数が増加しています。
 治療に関しても積極的に行っており、全国規模で行われる臨床試験や治験などにも参加しています。治療が困難な間質性肺炎もありますが、患者さんとの対話を大切にし、十分なフォローを行っています。

 当センターでは間質性肺炎外来を開設しています。

 診療実績は、呼吸器内科をご覧ください。

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