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腹部大動脈瘤

腹部大動脈瘤chest

腹部大動脈瘤

腹部大動脈瘤とは?

腹部大動脈からは腹部の内臓(肝臓、胆嚢、膵臓、脾臓、小腸、腎臓、大腸など)へ血管の枝を介して血流が供給されています。腹部大動脈の正常の太さは18~20mm程度です。
多くの場合、この腹部大動脈の内、腎動脈より下の腹部大動脈が主に動脈硬化により血管が劣化し、高血圧の影響で拡張します。
腹部大動脈瘤が出来ても多くの場合、無症状です。検診(エコー検査など)や他疾患の検査(腹部外科や泌尿器科、整形外科などでのCT検査やエコー検査)で偶発的に発見されることが多いです。

外科的治療の適応

紡錐状の場合はその最大短径が男性;5.5cm以上、女性;5.0cm以上になると、破裂する可能性が高くなり、外科的治療の適応となります。また、これらのサイズ以下でも動脈瘤の大きくなる速度が速い場合は治療の適応です。動脈瘤の形状が歪である(嚢状瘤)場合や小柄な方では4cm程度でも破裂の可能性があり、外科的治療を検討します。

治療(手術と血管内治療)

外科的治療法には開腹による手術と血管内治療があります。開腹による手術の方法は人工血管置換術でありますが、胸部大動脈瘤の手術とは異なり、人工心肺などの補助手段が必要ありません。この点、高齢者でも手術が可能です。また、腹部大動脈瘤の範囲や形状、血栓の状態、大腿~腸骨動脈の状態、腎機能などの条件によってはより低侵襲的な血管内治療(ステントグラフト内挿術)が可能であり、積極的に行っています。但し、術後遠隔期成績を考慮すると人工血管置換術が勝る点があり、ご年齢を考慮して適応を決めています。
腹部大動脈瘤も破裂による緊急手術の成績は不良で40~70%の死亡率が報告されております。そのため破裂する前に発見し、手術あるいは血管内治療を行うことが肝要です。

腹部大動脈瘤

腹部大動脈瘤に対するステントグラフト内挿術後

心臓血管外科