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睡眠時無呼吸症候群

睡眠時無呼吸症候群sas

睡眠時無呼吸症候群

睡眠時無呼吸症候群(Sleep Apnea Syndrome:SAS)とは?

寝ている間に無呼吸や低呼吸を繰返し、その結果、眠りが浅く日中の眠気など種々の症状を呈する病気とされています。SASの有病率は報告にもよりますが、男性で5%前後、女性で2~3%前後といわれています。

症状

夜間就寝中に呼吸が止まってしまう病気ですが、本人よりも家族の人が気づくケースも多いと思います。自覚症状は、いびき、日中の強い眠気、頭痛、意欲の低下、性欲の低下、夜間頻尿、起床時の熟睡感の欠如等です。睡眠の断片化や低酸素の結果、血圧変動、脳心血管疾患などを起こす人もいます。なお、患者さん本人の問題だけでなく、その人がトラックの運転手や原発のオペレーターである場合は居眠り運転の原因となり、社会的な問題となります(かのスリーマイル島の事故も、睡眠時無呼吸症候群が原因と報告されています)。

原因

睡眠中に呼吸が止まる原因としては、肥満(メタボリック症候群)、扁桃肥大、巨舌(舌が大きい)、顎が小さい等により気道が閉塞する場合と、脳から呼吸の指令が止まる場合があります。

SASの合併症

無呼吸になると血中の酸素濃度が低下します。酸素濃度が低下すると苦しくなるため、無意識のうちに覚醒します。ひどい人になると、1時間あたり無呼吸と覚醒が40~50回も起こります。これらの結果、不整脈(突然死の主要原因)、心不全、高血圧、虚血性心疾患、脳血管障害などを生じます。また、糖尿病やメタボリック症候群との関連性も認められています。日中の眠気から、交通事故や成績不振の原因にもなります。

検査の流れ

当センターでは、まず睡眠中の無呼吸、体内の酸素濃度を記録する器械を貸し出し自宅で装着していただき、1晩スクリーニング検査をします。その結果で精密検査の適応を決めます。
精密検査(睡眠ポリグラフ)は、1泊入院していただき、呼吸、酸素飽和度に加え、眠りの深さ、脳波、眼球運動、オトガイ筋電図、胸腹の動きを終夜記録します。

治療

肥満の人は減量が必要です。また、扁桃肥大の著しい人は手術療法もあります。しかし、肥満や扁桃肥大のない人や肥満の人がやせるまでの間の治療として、鼻マスクを用いた持続陽圧呼吸療法(CPAP)があります。眠るとつぶれる気道を、空気圧で支えるものです。CPAPは眠っているときだけ装着し、在宅医療のひとつで健康保険が適用されます。無呼吸の程度が軽ければ。マウスピースによる治療もあります。
睡眠がとぎれないのでぐっすり眠れるようになり、装着後の朝の爽快感は、まるで脳が入れ替わったようだと言う人もいます。

呼吸器内科