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気管支喘息

気管支喘息とは?

 気管支喘息とは、気管支が狭くなって、発作性に呼吸が苦しくなり、音が聞こえる病気です。この音は喘鳴(ぜんめい)といい、喘息という病名はここからきています。
 他の症状としては、痰のからんだ咳、呼吸困難、チアノーゼ(血液中の酸素が少なくなり、顔色が青黒く見える状態)、ひどくなると発作時の意識障害などが見られますし、最悪の場合、死亡することもあります。日本全国で毎年約2,000人の患者さんが喘息で死亡していると言われています。
 気管支喘息の発作は、気圧が前日よりも下がる雨の降る前とか台風の前に起こりがちです。季節的には梅雨や寒くなる季節にも多い病気です。また、日中に症状がなくても夜間に発作が出現することもあります。

気管支喘息

気管支喘息はアレルギー疾患のひとつ

 気管支端息の患者さんのうち、小児では約90%、成人では約70%の人にアレルギー反応がみられます。気管支端息はアレルギー疾患の代表のひとつです。
 喘息発作の引き金になるのは花粉、ダニ、ほこり等のアレルゲン(アレルギーの元となる物質)の特異的な刺激や、ウイルス、寒冷、運動、大気汚染などの非特異的な刺激があげられます。こうした刺激が気道に加わると、アレルギー反応や炎症、自律神経のバランスの崩れなどを起こし、気道が狭くなります。

治療
  1. 発作を起こさないための治療(予防)
    睡眠や食事などに関する日常生活の配慮
    薬物療法=長期管理薬
    ・・・特に吸入ステロイドを用いた定期的な薬物療法が最近の喘息治療に欠かせなくなっています。
  2. 発作を起こしたときの治療(発作治療)
    薬物療法=発作治療薬
    ・・・即効性のある気管支拡張薬などを一時的に使用します。症状が持続する場合は長期管理薬の増量やステロイドの点滴が必要になることがあります。

ピークフローメーター

 気管支喘息は、適切な予防的治療を行う事が最も重要とされています。この予防の為の大事な器具がピークフローメーターです。これは、思いきり息を吹き込むことで最大呼気流速を測定し、自分自身の喘息の状態を客観的に知るための器具です。
 朝の起床後30分以内と睡眠前の1日2回測定し、記録をつける様に習慣化する事が重要です。通常は服薬や吸入前に測定することか推奨されていますが、その値は、最良値の80%以上、朝・夕の値の差(日内変動)は20%以下、が目標値となります。
 発作の時もピークフローメーターを測定し、自己の最良値または基準値の80%以上あれば軽症、50~80%ならば中等症、50%以下ならば重症といった客観的な判断が自分で可能になります。
喘息日記 ピークフローメーターの値は、患者さんが症状を自覚する前に低下しますので、発作が重症化する前に自分自身の判断で治療を強化することが可能となります。ピークフローを測定する意味は自覚症状に現れない気道狭窄を察知することにあります。慢性喘息の患者、重症の患者さんは呼吸困難感が乏しいことが知られていますので、患者さんや家族の方は症状を軽いと誤ってしまうことがしばしばあります。
 また、運動や仕事の前後などに測定することにより、喘息を悪化させる原因がわかるなどの利点もあります。

 診療実績は、呼吸器内科をご覧ください。

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