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肺結核

肺結核tuberculosis

肺結核

肺結核とは?

結核は、人から人へ感染する世界的にも最大の伝染病で、非衛生的な環境の中で人口が集中した17世紀以降に急速に増加しました。結核は不治の病として栄養と安静のみの治療が長い間続けられ、我が国では1945年前後に発症率・死亡率は最大となりましたが、50年代以降抗結核薬の発明・普及とともに生活水準が向上し、順調に減少してきました。

結核の感染

結核の感染は、排菌している患者さんのせきやくしゃみによってまき散らされたしぶきの中に含まれる結核菌を吸い込むことにより感染します(空気感染)。大部分の場合は結核に感染しても発病はせず、結核菌は体内に留まり、免疫能力や抵抗力が低下したときに発病します。結核に感染しても、普通は免疫の働きで発病を防ぎ、感染した人で一生のうちに発病するのは10人に1人程度といわれています。発病すると肺は炎症を起こし、ひどくなると組織が死んで空洞ができ、菌はどんどん増殖します。

症状

最初のうちはかぜとよく似た症状ですが、いつまでもせきやたんが止まらず、微熱が続きます。そのうち、だるさ、寝汗、胸の痛みといった症状が出てきて、さらにひどくなると喀血したりします。

治療

結核菌は他の一般細菌に比べ非常にゆっくり増殖するため、一般細菌感染症に比べ、はるかに長い治療期間を要します。昔はよい薬がなかったので、長期の入院が必要でしたが、現在は3~4種類の薬を6~9ヶ月服用することで、短期間に治すことができるようになりました。人に感染させる危険性のない場合、外来で治療できることもあります。
しかし怖いのは、途中で飲むのをやめてしまい、多剤耐性菌を生み出すことです。この菌は少なくとも2種類の代表的な薬が役に立たなくなるため、結核の進行をくい止めることができなくなります。結核と診断されたら、最後まで薬を飲み続けることが大切です。
当センターは、60床の結核病棟を有し、排菌量の多い治療早期の患者さんが入院する病室と、治療により周囲への感染力が弱まった患者さんが入院する病室に分け、療養していただいています。抗結核薬の服薬を看護師がひとりひとり確認することにより、治療の成功と耐性結核の防止に努めています。

結核病棟(航空写真)

結核病棟(病室)

呼吸器内科