「間質性肺炎合併肺癌(案件番号KCRC-24-0020)」(呼吸器内科)
臨床研究の名称 | 間質性肺合併非小細胞肺癌におけるドライバー遺伝子変異/転座検索の実態と分子標的治療薬の安全性・有効性に関する多施設共同後方視的研究 |
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研究責任者の所属・氏名 | 呼吸器内科 医長 池田 慧 |
研究の概要 | 【目的】 進行期の非小細胞肺癌(Non-small Cell Lung Cancer; NSCLC)の5-10%が診断時に間質性肺炎(Interstitial Pneumonia; IP)を合併しており、非合併例と比較して予後不良です。IP合併例を治療する上で、最も危険で致死的な合併症はIPの急性増悪であり、リスクの低い治療選択が肝要です。しかし、今日の肺癌の標準的薬物療法の根拠となる臨床試験においてIP合併例は除外されているため、各種治療の安全性や有効性のデータは不足しており、その結果治療選択肢が限られています。 近年、NSCLCでは治療標的となる9つのドライバー遺伝子変異・転座が同定され、それぞれに対応した分子標的薬が広く用いられています。しかし、IP合併例においては、そもそも遺伝子検査の未実施が多いことが懸念されており、遺伝子検査が実施されないために分子標的治療の恩恵を受けられない方が少なからずいる可能性が高い状況です。 本研究は、本邦における慢性線維化性IP合併NSCLCにおける遺伝子検査の実施の実態を把握することが主たる目的としています。もし実施率が著しく低い結果であれば、検査の必要性を啓発する上で重要なデータとなります。また、各種ドライバー遺伝子変異・転座の頻度に加え、各種分子標的薬投与例についてはその有効性や安全性の情報も併せて取得することで、IP合併NSCLCに有望な治療選択肢を増やすことに繋がることが期待されます。 【対象患者】 間質性肺炎を合併した進行・再発非小細胞肺癌の患者さん。(2019年6月1日から2024年6月30日の間に、非小細胞肺癌の診断のための検査を実施された、もしくは術後再発と診断された方) 【方法】 上記の患者さんを対象に下記情報を収集し、解析を行います。なお、下記情報を収集する際は、個人が特定できない状態にした上で、当センター内の本研究データセンターに集積します。 【使用する情報】 1) 全登録例の情報 性別、年齢、喫煙歴、肺がんおよび間質性肺炎の診断に関する情報、生存期間に関する情報、遺伝子検査の実施の有無 2) 遺伝子検査実施例の情報 検査結果(血液、呼吸機能)、IPに関する情報(画像所見・急性増悪・治療薬)、肺癌に関する情報(PS・遠隔転移・PD-L1発現)、肺癌に対する治療歴、遺伝子検査に関する情報 3)分子標的薬治療例の情報 分子標的薬の治療内容、分子標的薬による肺臓炎の情報 【情報使用の開始予定日】 2024年10月開始予定 【研究代表者および所属機関】 東邦大学医療センター大森病院 岸 一馬 【共同研究機関】 神奈川県立循環器呼吸器病センター(研究事務局) |
問い合わせ先 ※ | 呼吸器内科 医長 池田 慧(研究事務局) 〒236-0051 横浜市金沢区富岡東6-16-1 神奈川県立循環器呼吸器病センター 電話番号 045-701-9581 (代表) |
2024年7月作成
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