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喀血・肺循環・気管支鏡治療センター

喀血・肺循環・気管支鏡治療センター

概要

従前より当院では、喀血・血痰外来を設置し、全国でも有数のカテーテル治療実施施設となってまいりましたが、さらに高度専門的な呼吸器診療を提供できるように、「喀血・肺循環・気管支鏡治療センター」を設置し、活動を開始いたします。

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センターの特徴

当センターの特徴は、「すべての呼吸器インターベンションを実施できる」ことです。呼吸器インターベンションとは、薬物ではなく、機器を用いて呼吸器疾患を治療する手技の総称です。最大の特徴である軽症~重症までの血痰・喀血に対する「気管支動脈塞栓:BAE」に加え、がん気道狭窄に対する「硬性鏡下ステント留置」、難治性気胸に対する「EWS留置」、重症COPDの患者様を対象とした「気管支鏡下肺容量減量バルブ留置術:BLVR」など、国内でも実施可能施設の少ない呼吸器インターベンション、気管支鏡治療に一層取り組んでいきます。
また、積極的に右心カテーテル検査を実施する体制を整え、「肺疾患を有する肺高血圧症の専門施設」として活動していきます。

治療内容

血痰・喀血に対する気管支動脈塞栓

  • 血痰・喀血とは

喀血は気道(気管・肺)から出血した時に見られる出血です。気道の出血が少量であれば痰に血が混じっている状態を血痰と表現します。喀血は血液そのものを咳とともに吐く状態です。
吐血との区別は口から血が出たときに伴う症状で区別します。咳と一緒に出てきたときには喀血、嘔吐と一緒であれば吐血であることが多いです。さらに喀血は吐血と比べると赤みが強く、泡が混じることが多く、固まりにくいという特徴があります。
血痰・喀血の原因として、肺結核や非結核性抗酸菌症などといった呼吸器感染症や、気管支拡張症あるいは肺がんなど様々な病気が考えられます。

  • 治療

軽度の喀血であれば、止血剤を用いた止血を行います。重症な場合や、血痰・喀血が長期に渡り持続する場合には、気管支動脈塞栓術(BAE)というカテーテル手術で、血管の塞栓を行います。塞栓するための材料として、金属コイルを用いる方法を超選択的動脈塞栓術といい、当センターではプラチナコイルを用いた超選択的動脈塞栓術で止血を行います。入院期間は通常4日程度です。

がん気道狭窄に対する「硬性鏡下ステント留置」

  • 治療

悪性腫瘍による気道狭窄などに対して、硬性気管支鏡を使用し、狭窄部にステントを留置して、狭窄の解除を目的とする手術です。治療は全身麻酔下で行われます。

難治性気胸に対する「EWS留置」

  • 気胸とは

肺に穴があいて空気が漏れることで肺が潰れてへこんでしまう病気です。

  • 治療

長期間の胸腔ドレナージ、持続的吸引を行っても持続する、気管支の穴(瘻孔)からの空気の漏れに対して、外科的手術が適用でない場合に、気管支瘻孔閉鎖術(きかんしろうこうへいさじゅつ)を実施します。気管支鏡を用いて、穴のあいている気管支を充填材(=EWS)で閉塞し、空気の漏れを消失させます。

重症COPDに対する「気管支鏡下肺容量減量バルブ留置術」

  • 慢性閉塞性肺疾患とは

慢性閉塞性肺疾患(COPD)は、主に慢性気管支炎と肺気腫の二つの疾患を示します。

両者は病因が異なりますが、いずれも気管支が閉塞することによリ、息切れや血液中の酸素を低下させたりして病態の悪化を招きます。一般的に、気管支の閉塞は少しずつ進行していきますが、中には、一過性の気道収縮をきたして発作性に呼吸困難が生じる場合があります(気管支喘息の要素のあるCOPD)。

  • 治療

循環器呼吸器病センターでは、COPDについて、薬物療法・禁煙指導・呼吸リハビリテーション教育・在宅酸素療法・在宅マスク式人工呼吸法・外科療法などを行っています。その中で重症なものについて、当センターにおいて気管支バルブシステムによる気管支鏡下肺容量減量術を実施しています。COPDにより過膨張した肺を、気管支バルブシステムを用いて縮める手術です。手術は全身麻酔で行います。手術後はICU管理のもとリハビリなどを行い、一般病棟に転棟したのち退院となります。入院期間は、通常7日程度を予定しています。

肺高血圧症に対する右心カテーテル

  • 肺高血圧症とは

右心室から肺動脈を通り肺にたどり着いた血液が、毛細血管網および肺胞でガス交換を行なったあと肺静脈に入り、左心房へ帰る血液循環のことを肺循環といいます。すなわち、全身から二酸化炭素を集めた血液が、肺で二酸化炭素と酸素の入れ替えを行い、全身に酸素を巡らせる循環のことです。肺循環で、心臓から肺に血液を送る血管である肺動脈の血液の流れが悪くなることで、肺動脈の血圧が高くなることを肺高血圧症といいます。息苦しさや胸の痛み、全身のだるさやむくみなどの症状が現れます。肺高血圧症の原因は、肺動脈そのものに原因がある場合や、肺や心臓に問題がある場合など様々な理由が考えられます。

肺高血圧症は以下のとおりに分類され、分類によって治療方法が異なります。

第1群

肺動脈性肺高血圧症(PAH

第1‘群

肺静脈閉塞性疾患(PVOD)および / または肺毛細血管腫症(PCH

第1“群

新生児遷延性肺高血圧症(PPHN

第2群

左心性心疾患に伴う肺高血圧症

第3群

肺疾患および / または低酸素血症に伴う肺高血圧症

第4群

慢性血栓塞栓性肺高血圧症(CTEPH

第5群

詳細不明な多因子のメカニズムに伴う肺高血圧症

    • 治療
当センターでは特に第3群の肺高血圧症に対し、積極的にカテーテル検査を実施する体制を整えています。

受診について

患者さんへ

  • 喀血治療について

受付時間内に専門外来である血痰・喀血外来にお越しください。
血痰・喀血外来については下記のページをご確認ください。

専門外来 血痰・喀血外来

  • 気管支インターベンションによる治療・右心カテーテル検査について

初回診察は予約制です。ご予約には、紹介状(診療情報提供書)が必要です。

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地域医療連携室 TEL:045-701-9581(代表)

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