「心房細動(案件番号KCRC-24-0024)」(循環器内科)
臨床研究の名称 | 心房細動患者におけるCT遅延造影の臨床的意義を検討する多施設共同観察研究 |
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研究責任者の所属・氏名 | 循環器内科 医長 井口 公平 |
研究の概要 | 【目的】 心アミロイドーシスは心臓の間質にアミロイド線維というものが沈着し、心臓の形態や機能に異常をきたす病気であり、心房細動をはじめとする不整脈や心不全を引き起こします。心アミロイドーシスの予後は不良とされていますが、近年新薬が開発され、特に野生型ATTRアミロイドーシスという心アミロイドーシスのひとつのタイプは、予後の改善が見込まれるようになってきています。しかし、病期が進行してしまった心アミロイドーシスに対しては、薬剤の効果が乏しいと言われており、早期に診断することが重要です。心アミロイドーシスの診断に造影CTが有用である可能性がありますが、まだ国内の報告が少なく、診断に用いることができるか明らかにしていく必要があります。また、心房細動に対して経皮的カテーテル心筋焼灼術(カテーテルアブレーション)を施行された患者さんで、造影CTと心機能の改善率や心房細動の再発が関連するとも報告されています。そのため本研究では、心房細動に対する経皮的カテーテル心筋焼灼術前の造影CTが、心アミロイドーシスの診断に有用であるか、心房細動の再発や心不全の病態と関連しているのかを検討し、今後の医療に役立てることを目的としています。 【対象患者】 2018年1月から2028年12月の間に、心房細動に対して経皮的カテーテル心筋焼灼術を受けた患者さんの中で、術前に造影CTを施行された方を対象とします。 【方法】 診療録から情報を収集して、心アミロイドーシスの有無や心房細動・心不全の病態について検討します。 いずれも通常の診療で得られた情報を用いますので、研究対象の方のご負担になることはありません。 【使用する情報】 ・背景情報:年齢、性別、身長、体重、喫煙歴、飲酒歴、既往歴、合併症、服薬歴 ・術前の心不全重症度 ・質問票:PAQ(International Physical Activity Questionnaire)、EQ5D(EuroQol-5Dimention) ・バイタルサイン ・手術情報:術式、手術時間、穿刺部位、使用した医療器具の種類、放射線量、麻酔時間 ・病理結果:心アミロイドーシスの有無、心筋線維化の有無と程度、心筋の変性の有無 ・血液・尿検査の結果:ヘモグロビン、血清アルブミン、血清クレアチニン、BNP等 ・画像検査:術前の造影CT、経胸壁心臓超音波検査、12誘導心電図、Holter心電図、経食道心臓超音波検査、冠動脈造影検査、ピロリン酸シンチグラフィ ・身体機能:握力、SPPB(Short Physical Performance Battery)、下腿周囲径、活動量計を用いた身体活動量の測定 ・Frailty scale ・体組成 ・治療内容:投与薬剤 ・治療効果の判定結果:血液検査、心臓超音波検査、Holter心電図検査 ・合併症、副作用の有無とその内容 ・転帰 【情報提供の開始予定日】 2024年10月開始予定 【研究代表者および所属機関】 横浜市立大学附属病院 循環器内科 山田 優 【共同研究機関】 横浜市立大学附属市民総合医療センター 神奈川県立循環器呼吸器病センター |
問い合わせ先 ※ | 循環器内科 医長 井口 公平 〒236-0051 横浜市金沢区富岡東6-16-1 神奈川県立循環器呼吸器病センター 電話番号 045-701-9581 (代表) |
2024年11月作成
- 研究に試料・情報を提供したくない場合はお申し出ください。お申し出いただいても不利益を生じることはありません。上記の問い合わせ先までご連絡いただけましたら、その方の試料・情報は本研究に利用しないようにいたします。
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