「原発性肺癌(案件番号KCRC-25-0006)」(呼吸器外科)
臨床研究の名称 |
原発性肺癌術後、気管支断端形成における病理組織学的検討 |
研究責任者の所属・氏名 |
呼吸器外科 部長 荒井 宏雅 |
研究の概要 |
【目的】 肺癌に対する肺切除術(肺葉切除術、区域切除術)では摘出する肺の血管(肺動脈・肺静脈)と気管支を切断・縫合して肺を切除します。体の中で切り離された気管支の断端は、ステイプルという縫合針で閉じられた状態となり、周囲の修復組織や他肺葉等で覆われ完全に閉鎖されると考えられていますが、その病理学的な検証はなされていません。希に不完全な閉鎖により肺癌術後の重篤な合併症の1つである気管支断端瘻(気管支内腔と胸腔内が交通した状態)となり、膿胸(重篤な胸腔内感染症)や術後胸水の残存肺内への吸い込みよる呼吸不全を発症することがあります。これまで様々な発症リスクが報告されていますが、病理学的検証に基づいた報告は認められません。 本研究では過去の患者さんの病理解剖後の残った組織から術後の気管支断端形成を観察するとともに、過去の手術データベースより気管支断端瘻となった患者さんの臨床的特徴を調査し、病理学的な所見と合わせて潜在的な発症リスクを検討します。 【対象患者】 当院で2011年4月~2021年4月の10年間に下記手術を施行された患者さんを対象とします。 ①原発性肺癌に対して肺切除術(肺葉切除、区域切除)を受けた患者さん ②上記術後、肺癌の再発転移なく他疾患にてお亡くなりになり、病理解剖を受けた患者さん 【方法】 当院の手術データベースより下記の観察項目を収集します。また、上記の対象患者さん②に該当される方については、病理解剖後に残った組織より気管支断端の病理組織標本を作製し顕微鏡にて観察します。これらの結果を合わせて検討します。 【使用する試料・情報】 試料:病理解剖後の残った肺組織 情報:年齢・性別・身長・体重・合併症・既往歴・喫煙歴・血液結果所見(Hb, TP, alb, A1c)・CT画像所見・気管支鏡所見・病理診断所見・手術記録・術後経過 【試料・情報使用の開始予定日】 2025年7月開始予定
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問い合わせ先 ※ |
呼吸器外科 部長 荒井 宏雅 〒236-0051 横浜市金沢区富岡東6-16-1 神奈川県立循環器呼吸器病センター 電話番号 045-701-9581 (代表) |
2025年6月作成
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