「急性冠症候群(疑いも含む)(案件番号KCRC-25-0022)」(循環器内科)
| 臨床研究の名称 |
12誘導心電図のAI分析による急性冠症候群の診断アルゴリズム構築に関する観察研究 |
| 研究責任者の所属・氏名 |
循環器内科 部長 福井 和樹 |
| 研究の概要 |
【目的】 心筋梗塞をはじめとする急性冠症候群は生命に直結する重篤な疾患であり、発症早期の迅速かつ的確な診断により適切な治療へとつなげることが大変重要となります。12誘導心電図検査は非侵襲的に簡便かつ迅速に行うことができる基本的な診断検査法であり、急性冠症候群診療ではその診断のみならず重症度評価や治療方針の決定など中心的な役割を担います。しかし、急性冠症候群は突然または急激に発症する救急疾患で、他の胸痛関連緊急疾患(急性大動脈解離、肺塞栓症、心筋炎、心筋症、不整脈など)との鑑別を要する一方で、必ずしも循環器専門医が初期対応を行うとは限りません。また、急性冠症候群の心電図所見は病変の部位や発症からの時間経過などにより修飾されバリエーションも大きいため正確な診断、他の緊急疾患との鑑別診断が難しいことも珍しくないため、循環器専門医と同等の診断精度を有する急性冠症候群の心電図診断及び鑑別診断サポート機器の開発が期待されます。そこで本研究では、近年医療分野での発展・応用が目覚ましい人工知能(AI)を用いた画像診断技術を我々が培ってきた臨床実績と融合させることにより、これまでにない革新的な急性冠症候群の心電図診断機器の開発を行います。 【対象患者】 2014年1月1日から2025年8月31日までに当センターで急性冠症候群の診断または疑いで受診・入院し12誘導心電図検査を受けられた方、及び2014年1月から2021年10月31日までに当センターで12誘導心電図検査を受け、正常範囲内と判断された方 【方法】 通常診療によって取得・保存された12誘導心電図検査結果を、臨床情報を加味した循環器専門医による診断結果と併せてAIにより機械学習させ診断アルゴリズムのプロトタイプを作成します。その後、さらに多くのデータを学習(ディープラーニング)させ解析アルゴリズムの向上を行うことで最終的に急性冠症候群の診断アルゴリズムの開発を行います。 本研究は、横浜国立大学、フクダ電子株式会社、との共同研究となります。当センターから横浜国立大学、フクダ電子株式会社に提供する患者情報は匿名化された上記の診療情報の中で心電図診断に必要となる項目に限定します。 また、データを取り扱う際は、研究対象者の氏名、イニシャルは本研究の調査項目に含まれず、カルテ番号も収集しません。研究対象者の個人情報とは無関係の記号を付し、一見して個人が特定できないように匿名化します。 横浜国立大学、フクダ電子株式会社は、提供された情報を用いて心電図診断アルゴリズムの構築、アルゴリズムの妥当性の検証を行います。。 【使用する情報】 1)患者基本情報:年齢、性別、診断名、身長、体重、既往歴(高血圧、脂質異常症、糖尿病の有無)、家族歴、生活歴 2)血液検査(心筋逸脱酵素) 3)12誘導心電図検査 4)心臓超音波検査 5)冠動脈造影検査 6)治療内容(緊急カテーテル治療の有無・内容、薬物治療)と治療経過 【使用の開始予定日】 2025年11月開始予定 【研究代表者および所属機関】 横浜市立大学附属市民総合医療センター 心臓血管センター内科 岡田 興造 【共同研究機関】 横浜国立大学、フクダ電子株式会社、神奈川県立循環器呼吸器病センター、茅ヶ崎市立病院
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| 問い合わせ先 ※ |
循環器内科 部長 福井 和樹 〒236-0051 横浜市金沢区富岡東6-16-1 神奈川県立循環器呼吸器病センター 電話番号 045-701-9581 (代表) |
2025年10月作成
- 研究に情報を提供したくない場合はお申し出ください。お申し出いただいても不利益を生じることはありません。上記の問い合わせ先までご連絡いただけましたら、その方の情報は本研究に利用しないようにいたします。
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