診療科のご案内 -放射線科-

検査について

X線撮影(一般撮影、X線テレビ、内視鏡X線テレビ、病室撮影)
  • X線撮影では文字どおりX線を用いて、人体各部の撮影を行います。X線は撮影する部位や臓器の違いにより透過する量や強さに差が生じ、これを画像化したものがX線写真です。しかし、写りにくい臓器もあり、このような場合はバリウムなどを飲用してX線撮影を行います。
    また、現在ではコンピュータを用い、少ないX線量で診断目的に合った画像を提供しています。
  • 内視鏡X線テレビは内視鏡検査の立体的観察の一助として使用され、より安全で安心な医療に貢献しています。
    病室撮影(ポータブル撮影)は、ICU、各病棟の手術後や重症な患者さんの撮影に、また手術室における術中撮影も行っており、多種多様の要望に対応しています。
  • なお、X線フィルムをコピーする装置(フィルムディジタイザー)やDVD・CD-Rを取り込む装置なども利用して、他院から紹介された患者さんの医療情報をコピーし臨床に有効利用しています。
内視鏡X線TV装置 ポータブル撮影装置
内視鏡X線TV装置 ポータブル撮影装置
CT検査(CT:Computed Tomography コンピュータ断層装置)

 CTはX線を出す管球が体のまわりを回転しながら、高解像度の断層像を撮影する装置です。当センターでは2台のCT装置が稼働しています。

第1CT 320列CT(CANON社製Aquilion One Genesis )

 一度に16cm幅を撮影できるCT装置です。回転スピードも速く(0.275秒/回転)、心臓などの動いている臓器もぶれることなく撮影することが可能です。
 当センターでは、心臓CTにより冠状動脈の検査を行っています。また、呼吸をさせながら、肺の動きをみる検査(4DCT)で、術前の胸膜癒着評価も行っています。また肺癌検診など、検診CTにも使用しています。
 各種の被ばく低減技術を搭載し、低線量でもクリアな画像が得られます。

第2CT 高精細CT(CANON社製Aquilion Precision)

 従来のCTでは、1画像の画素数は512×512、スライス厚は0.5mm、1画素の大きさとしては0.5×0.5×0.5mmが最高でした。このCTは1画像の画素数は2048×2048、スライス厚は0.25mmの撮影が可能で、最大で従来の32倍の高解像度の画像が得られます。
 この高精細CTも最新の被ばく低減技術を搭載しており、画像の解像度を上げても、被ばくは従来のCTとほぼ同様です。高精細CTでは従来描出が難しかった末梢の細気管支や肺の小葉、細葉と呼ばれる微細構造が描出でき、間質性肺炎の診断に有用です。また、従来CTでは評価が難しかった狭心症で冠状動脈内にステントが入っている患者さんの心臓CTにも、対応可能です。(不整脈や心拍数の関係で評価できない場合もあります)

320列CTによる心臓CTの画像
320列CTによる心臓CTの画像(冠状動脈の3次元画像)
絶えず動いている心臓もぶれることなく撮影が可能です。
冠状動脈の狭窄程度が評価できます。
従来CTと高精細CTの比較
従来CT
(512×512, 0.5mm厚)
高精細CT
(1024×1024,0.25mm厚)
気管支の3次元画像における、
従来のCT(512×512,0.5mm厚)と高精細CT(1024×1024,0.25mm厚)の比較

樹枝状の構造は気管支の内腔です。
高精細CTでは、より末梢の細かい気管支まで描出できるため、枝が増えたように見えます。
高精細CTによる血管の3次元画像
高精細CTによる血管の3次元画像
高精細CTでは、肺の末梢の血管や腸管の細かい血管まで評価できます。

これからCT検査を受ける患者さんへ

検査時間

 通常検査 5~10分 / 心臓検査 20~30分

注意事項

  • 食事・水分・内服薬は普段通りでかまいません。(中止する必要はありません)
  • 服装
    脱ぎやすい服装でお越し下さい。
  • 以前、造影剤で気分の悪くなった事のある方やお薬によるアレルギーのある方、妊娠の可能性のある方は、検査前に担当技師・看護師に申し出てください。
MRI検査(MRI:Magnetic Resonance Imaging 核磁気共鳴画像)

MRIとは?

 MRIは強力な磁石とラジオ波でからだの断層画像を撮影する装置です。放射線を利用せず、被ばくがないという特徴があります。当センターでは平成22年6月に心臓用32チャンネルコイルを新たに導入し、古いコイルではできなかった心臓や肺の高速撮像が可能となりました。

冠状動脈の撮影

造影剤を使用しないで撮像した心臓の冠状動脈 新しい装置では、造影剤を用いなくても心臓の冠状動脈も撮影可能です。このMRIによる冠状動脈撮影は心臓CTに比較して若干解像力は劣りますが、被ばくがなく、造影剤の副作用も考えなくてよいためスクリーニング検査として優れています。当センターでは、この心臓MRIを中心とした心臓ドックを行っています。
 また、心機能の評価の精度が向上し、心筋梗塞の範囲のより正確な診断も可能となっています。

全身の血管の撮影等

 さらに、造影剤を使用しない全身の血管のスクリーニング、あるいは肺がんの病期のより正確な診断も可能です。
 特にMRA(MRA:Magnetic Resonance Angiography 核磁気共鳴血管撮影)は、大動脈瘤や、動脈硬化による動脈の閉塞(閉塞性動脈硬化症)の評価といった血管の検査に優れています。
 件数的には頭部や骨の検査が多くを占めています。心臓・肺MRIという循環器呼吸器病センターとして特徴的な分野に積極的に取り組んでおり、高速で精度の高い画像を提供できるようになりました。

心臓の造影MRI

 心筋梗塞の広がりや程度が評価できます。

正常 心筋梗塞
正常 心筋梗塞
正常な心臓の筋肉は黒っぽく見えますが、心筋梗塞の部分は白っぽく見えます(矢印)。

頭部のMRIとVSRADによる解析

アルツハイマー病が疑われた患者の脳のMRI画像 VSRADの解析画像
アルツハイマー病が疑われた患者の脳のMRI画像。
通常の画像のみでは海馬に萎縮があるかどうか判断難しい。(矢印)
VSRADの解析画像
海馬の部分がつよい萎縮を示す赤色に表示されている。

これからMRI検査を受ける患者さんへ

検査時間

 30分~1時間

注意事項

  • 心臓ペースメーカーを装着している方は検査できません。
  • 手術等で体内に金属が入っている方は事前に申し出て下さい。
  • 金属製の装飾品や腕時計、磁気カード等は検査室内に持ち込めません。
  • 食事・水分・内服薬は普段通りでかまいません。(中止する必要はありません)
核医学検査(RI検査、アイソトープ検査)

RI検査(RI:Radio Isotope 放射性同位元素)とは?

RI検査:シンチレーションカメラ 体内に少量の放射性同位元素(アイソトープ)を投与(主に注射)して、そこから発生するガンマ線を検出して画像にすることで、病気の有無を調べる検査方法です。核医学検査の種類は約30種類ほどあり、目的の臓器や組織に集まるアイソトープを使用します。

特徴は?

 全身の画像を写したり、断層像を撮影したり、コンピュータを用いて、臓器の働きや動きなども調べます。病気の有無、形、位置、大きさ等の形態学的な事ばかりでなく、その病気の程度や良性、悪性の鑑別等の生理学的な状態まで知ることができるのが特徴です。

当センターでは

 当センターで主に行なわれている検査は、心臓、骨、肺、腫瘍・炎症です。
 心臓については、狭心症の有無、程度等を把握するために、運動負荷心筋シンチ検査を行っています。また、これに安静時の心筋シンチ検査を加えることにより、更に詳しい心筋血流の状態が把握でき、診断に役立てています。

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