ご挨拶
当科では、患者さん中心の診療体系を組み、また、すべての呼吸器疾患患者さんに質の高い検査・診断・治療を行うことで、最先端・最高レベルの医療を提供するよう心かげています。当科の各医師がさらに良質な呼吸器内科専門医を目指して呼吸器疾患全般にわたって診療しています。
スタッフ数も充実しており、外来診療は連日5名前後の医師が担当しています。呼吸器内科外来には多数の呼吸器疾患患者さんが通院しています。県民ニーズが極めて高く、2次医療圏のみならず3次医療圏の専門病院-非結核・結核の呼吸器疾患を扱う専門病院-としての役割を果たしています。
疾患の種類は基本的に呼吸器疾患全般にわたるものですが、主要疾患の内訳は、気管支喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、慢性気道感染症・肺炎等の呼吸器感染症、肺がん、種々の間質性肺炎、慢性呼吸不全、気胸、睡眠時無呼吸症候群等です。なかでも当センターの特色として、間質性肺炎を筆頭としたびまん性肺疾患や肺癌などの悪性腫瘍、結核・非結核性抗酸菌症等の抗酸菌感染症の新規患者さんの数が他院より多くなっています。
診療内容
間質性肺炎治療について
当センターは間質性肺炎の患者さんが多く来院されるため、 診断・治療の経験が豊富でセカンドオピニオン受診も増えています。2015年には「間質性肺炎センター」を開設しました。「現在・未来のすべての患者さんに最適な治療を提供する」という使命をもとに、多職種によるチーム医療を展開しております。 間質性肺炎の診断として気管支内視鏡下生検、クライオバイオプシー、また当センターの呼吸器外科と連携して胸腔鏡下生検を積極的に行っています。また、治療に関しては従来のステロイド、免疫抑制剤に加え、抗線維化薬ピルフェニドン・ニンテダニブを導入しています。未知のことが多く、使用可能な薬剤も限られる病気のため、積極的に治験や臨床試験を行っています。
結核治療は今でも当センターの使命です。
当センターの前身は結核療養所であり、現在結核を扱う数少ない施設です。排菌(塗抹陽性)患者もしくは排菌が強く疑われる患者さんに対応しています(2020年度から受け入れ中止していましたが、2022年7月より再開しました)。 近年増加している非結核性抗酸菌症も数多く来院されており、最新のガイドラインに基づいた治療を行っています。
肺がんについて
肺がんが疑われる患者さんでは何よりも早期診断・治療が大切です。 当院では初診日にCT画像による評価を行っております。また肺がん確定診断のために必須の気管支鏡検査を週4日行っており、初診日から数週間以内と早期に病期を含めた確定診断が可能となっています。 治療に関しましては、標準的な治療はもちろんですが、新薬の臨床試験・治験にも積極的に参加しており、国内外から肺がん治療施設として高い評価を受けています。さらに、呼吸器専門病院の特徴を生かし、呼吸器合併症を有する肺がんの治療も積極的に行っております。
気管支喘息・COPDについて
スパイロメトリー、呼気一酸化窒素(FeNO)、気道可逆性試験、気道過敏性検査、強制オシレーション法などの検査が可能で喘息、COPDの診断、重症度判定、治療導入、長期管理を行っています。重症喘息には生物学的製剤も行っています。COPDには薬物治療に加え呼吸リハビリテーション(通院、入院)、在宅酸素療法(HOT)、 非侵襲的陽圧換気療法(NPPV)、ネーザルハイフロー(HFNC)の導入と管理も行っています。Zephyr気管支バルブシステムを用いた治療も近日導入予定です。
睡眠時無呼吸症候群(SAS)について
外来での簡易型無呼吸検査、1泊2日入院での終夜睡眠ポリグラフ(PSG)で診断や重症度判定を行っています。 重症度に応じ口腔内装置作成(歯科に依頼)、経鼻的持続陽圧呼吸療法(CPAP)の導入、管理を行っています。また、 鼻腔通気度検査も行っています。
呼吸器リハビリテーションを行っています
呼吸リハビリテーションでは運動療法をはじめ、呼吸筋ストレッチ、呼吸訓練、排痰訓練、生活指導等を行います。通院による外来プログラムを週2枠で実施しています。入院では教育入院として包括的呼吸リハビリテーションプログラムを積極的に進めています。医師や理学療法士だけでなく看護師、管理栄養士、薬剤師の多職種連携による短期集中のリハビリです。その他、入院患者さんに対して早期離床やADL維持のための介入を実施しています。
喀血・血痰治療
2017年より血痰・喀血に対して経皮的気管支動脈塞栓術(BAE)を始めました。少量の出血の場合は抗菌薬と止血剤を使用する薬物療法を選択しますが、特発性喀血症や止血剤でも出血が止まらないような大量喀血をきたしている場合、あるいは少量でも喀血を繰り返す場合は、BAEが有効です。BAEは出血の原因となっている血管をカテーテルを用いてプラチナ製の特殊なコイルで詰め物をして出血を止める血管治療です。コイルは非磁性体のため、施術後にMRI検査を行っても問題ありません。当センターでは3〜4日の入院で行います。 神奈川県下で最大の治療実績となり、多数の紹介をいただくようになりました。毎週木曜日の血痰外来にご紹介ください。
対象疾患
- 間質性肺炎
- 肺がん
- 気管支喘息
- COPD
- 睡眠時無呼吸症候群
- 非結核性抗酸菌症
- 結核
- 喀血・血痰
- 肺胞蛋白症・サルコイドーシスなどのびまん性疾患
- 慢性気道感染症・肺炎等の呼吸器感染症
- 気管支拡張症
など
専門医等の資格
日本内科学会 | 認定内科医 | 15 |
---|---|---|
内科専門医 | 4 | |
総合内科専門医 | 14 | |
内科指導医 | 12 | |
日本呼吸器学会 | 専門医 | 15 |
指導医 | 9 | |
日本呼吸器内視鏡学会 | 気管支鏡専門医 | 11 |
気管支鏡指導医 | 5 | |
日本感染症学会 | 専門医 | 2 |
指導医 | 1 | |
日本結核・非結核性抗酸菌症学会 | 結核・抗酸菌症認定医 | 5 |
結核・抗酸菌症指導医 | 2 | |
日本化学療法学会 | 抗菌化学療法認定医 | 2 |
抗菌化学療法指導医 | 1 | |
抗菌治験指導医 | 1 | |
日本アレルギー学会 | 専門医 | 2 |
日本臨床腫瘍学会 | がん薬物療法専門医 | 2 |
がん薬物療法指導医 | 1 | |
日本がん治療認定医機構 | がん治療認定医 | 6 |
産業医 | 3 | |
インフェクションコントロールドクター | 3 | |
呼吸ケア指導士 |
1 |
|
肺がんCT健診認定医師 | 6 | |
日本救急医学会 | 救急専門医 | 1 |
日本集中治療医学会 | 集中治療専門医 | 1 |
-
萩原 恵里(はぎわら えり)
役職 部長 -
小松 茂(こまつ しげる)
役職 部長 -
馬場 智尚(ばば ともひさ)
役職 部長 -
北村 英也(きたむら ひでや)
役職 間質性肺炎センター室長、医長 -
関根 朗雅(せきね あきまさ)
役職 医長 -
奥田 良(おくだ りょう)
役職 医長 -
織田 恒幸(おだ つねゆき)
役職 医長 -
丹羽 崇(にわ たかし)
役職 喀血・肺循環・気管支鏡治療センター長、医長 -
池田 慧(いけだ さとし)
役職 医長 -
田畑 恵里奈(たばた えりな)
役職 医長 -
大利 亮太(おおとし りょうた)
役職 医長 -
田上 陽一(たがみ よういち)
役職 医長 -
酒寄 雅史(さかより まさし)
役職 医長 -
森内 麻美(もりうち あさみ)
役職 専攻医 -
渡邊 真之(わたなべ まさゆき)
役職 専攻医 -
芳賀 三四郎(はが さんしろう)
役職 専攻医 -
藤本 一志(ふじもと かずし)
役職 専攻医 -
熊谷 こすみ(くまがい こすみ)
役職 専攻医 -
金子 太一(かねこ たいち)
役職 専攻医 -
山田 千枝里(やまだ ちえり)
役職 専攻医 -
大熊 尭(おおくま たかし)
役職 専攻医 -
中澤 篤人(なかざわ あつひと)
役職 非常勤医師
外来担当医表
一般外来
月 | 火 | 水 | 木 | 金 | |
---|---|---|---|---|---|
午前 | 小松 北村 関根 奥田 酒寄※ |
馬場 田畑 酒寄※ 熊谷 大利 |
小倉 織田 芳賀 田上※ 金子 |
萩原 小松 関根 渡邊 藤本 大利※ |
萩原 馬場 織田 池田※ 山田 |
午後 (再来予約のみ) |
小松 北村 関根 奥田 酒寄 |
馬場 酒寄 大利 熊谷 田畑 |
小倉 織田 芳賀 田上 金子 |
萩原 小松 関根 渡邊 藤本 大利 |
萩原 馬場 織田 池田 山田 |
- 初診受付は、平日8時30分~11時です(午後は再来予約のみ)。
- 「※」は、紹介初診を優先する紹介予約外来担当医師です。
ご予約をご希望の方はこちらをご覧ください。
間質性肺炎外来
月 | 火 | 水 | 木 | 金 | |
---|---|---|---|---|---|
午前 | 小倉 田畑※ 丹羽 |
北村 奥田 池田※ |
小倉 北村 (交代制) |
||
午後 (再来予約のみ) |
小倉 田畑 丹羽 |
北村 奥田 池田 |
小倉 北村 |
- 初診受付は、平日8時30分~11時です(午後は再来予約のみ)。
- 「※」は、紹介初診を優先する紹介予約外来担当医師です。
ご予約をご希望の方はこちらをご覧ください。
血痰・喀痰外来
月 | 火 | 水 | 木 | 金 | |
---|---|---|---|---|---|
午前 | 丹羽 | ||||
午後 (再来予約のみ) |
丹羽 |
- 初診受付は、平日8時30分~11時です(午後は再来予約のみ)。
- 「※」は、紹介初診を優先する紹介予約外来担当医師です。
ご予約をご希望の方はこちらをご覧ください。
アスベスト・中皮腫外来
月 | 火 | 水 | 木 | 金 | |
---|---|---|---|---|---|
午前 | 大利 |
- 初診受付は、平日8時30分~11時です(午後は再来予約のみ)。
- 「※」は、紹介初診を優先する紹介予約外来担当医師です。
ご予約をご希望の方はこちらをご覧ください。
禁煙外来
月 | 火 | 水 | 木 | 金 | |
---|---|---|---|---|---|
午後 (再来予約のみ) |
田畑 |
- 初診受付は、平日8時30分~11時です(午後は再来予約のみ)。
- 「※」は、紹介初診を優先する紹介予約外来担当医師です。
ご予約をご希望の方はこちらをご覧ください。
医療関係者の方へ
地域の先生方には、平素は何かとご協力を賜り心から感謝申し上げます。また、日頃より患者さんのご紹介をいただき、この場を借りてお礼申し上げます。
当科では、呼吸器領域全般に対応できるより質の高い医療を提供するために、医師を育成するためのさまざまな試みや、看護・薬剤・栄養・リハビリ・検査など関連各科のスタッフ参加によるチーム医療を心がけています。
今後も常によりよい診療を心がけて参りたいと考えておりますので、連携医療に関してお気付きの点がございましたら、忌憚のないご意見をお聞かせ頂ければ幸いです。対応している疾患の種類は基本的に呼吸器疾患全般にわたります。主要疾患の内訳は肺がん、間質性肺炎、気管支喘息、COPD、結核・非結核性抗酸菌症、慢性気道感染症・肺炎等の呼吸器感染症、慢性呼吸不全、気胸、睡眠時無呼吸症候群などです。
外来には多数の呼吸器疾患患者さんが通院しており、2次医療圏のみならず3次医療圏の呼吸器専門病院としての役割を果たしています。外来は連日5~6人の医師で担当しており、スタッフ数も充実しています。外来患者は多岐の呼吸器疾患にわたり、間質性肺疾患、肺がん、気管支喘息、非結核性抗酸菌症などが多いのが当センターの特長的な点と言えます。
結核患者のご紹介
入院適応の場合
原則、喀痰塗抹検査陽性かつPCR検査陽性であった場合は入院適応となります。
入院の受け入れは医師同士の電話相談の上、決定いたします。上記条件に当てはまる場合は当センターの代表電話(TEL:045-701-9581)までご連絡ください。結核当番の呼吸器内科医師が対応いたします。
入院決定後の流れ
- 事前に診療情報提供書を地域連携室へFAXしてください。(FAX:045-784-5965(地域連携室直通))原本は患者さんへお渡しください。その際、抗酸菌検査結果や画像データなどの検査結果、自治体に提出する結核発生届の写しの添付をお願いいたします。
- 入院日当日、1階「防災センター」へご来院くださるよう患者さんにお伝えください。ご来院の際は、公共交通機関の利用はできるだけ避け、自家用車等でお越しください。またマスクを必ず着用するよう患者さんへご案内ください。
結核発生届(保健所への届出)
結核発生届は結核と診断した時点で直ちに報告することとなっていますので、当センターに転院・入院前に患者さんのお住まいを管轄する保健所への提出をお願いします。
複合疾患について
結核以外の疾患をお持ちの患者さんの受け入れにつきましては、担当医師が症状等をお聞きしたうえで入院可能か判断しますが、他院をご案内する場合もありますので、ご了承ください。
紹介元医療機関への継続診療・転院について
感染性がなくなり外来や一般病棟での診療が可能と判断した場合には、紹介元医療機関での治療継続をお願いする事があります。
また、ADL不良などで自立生活困難な場合も、感染性がなくなった時点で紹介元医療機関への転院をお願いしておりますので、ご理解・ご協力をお願いいたします。
ご面会について
ご面会にはN95マスクの着用が必要です。1階売店(コンビニエンスストア)と結核病棟(1南病棟)入口の自動販売機でお買い求めいただけます。また、中学生以下のご家族のご面会はご遠慮いただいております。
外来適応(疑い事例)の場合
喀痰塗抹検査が陰性でも、胸部X線検査・CT等で結核が強く疑われる所見がある場合は、呼吸器内科一般外来へご紹介ください。その際、必ずマスクを着用して来院するよう患者さんへお伝えください。結核疑いの患者さんの場合は受診予約が取れませんので、直接来院するようご案内ください。
外来初診受付時間 平日午前8時30分〜11時
専門外来のご案内
当センターでは各診療科の外来とは別に、特定の疾患について高度かつ専門的な診断・治療を行う専門外来を開設しています。専門外来の受診は紹介状が必要となります。
専門外来へのご紹介は、各専門外来宛の紹介状をご用意ください。
間質性肺炎センター
間質性肺炎の診断・治療、呼吸リハビリ、看護、日常生活の注意点などについて、患者さん一人ひとりに合わせた質の高い医療を提供いたします。
ご紹介時のご注意
- 初診の場合は「間質性肺炎センター(または間質性肺炎専門外来)」あての紹介状をご用意ください。
- 初診の予約は月曜日(田畑医師)、火曜日(池田医師)のみ可能です。
- 初診予約時間は両日とも8時45分、9時15分の2枠です。(各枠1名ずつ)
- 予約を取らなくても、初診の方は月・火・木曜日の8時30分から11時までに直接ご来院くだされば受診できます。
- 小倉医師の診察を指定される場合は、必ず紹介状の宛先に小倉医師宛と明記していただき、木曜日に受診するようご案内ください
初診のご予約は地域連携室(TEL:045-701-9581(代表))にて承ります。
包括的呼吸リハビリテーション外来(予約制)
間質性肺炎、COPD、気管支喘息などの慢性呼吸器疾患の患者さんを対象に、医師、看護師、薬剤師、理学療法士、管理栄養士がそれぞれの専門性を活かして、日常生活に必要な知識を心構えをアドバイスする教育入院プログラム「包括的呼吸リハビリテーション入院」を設けております。入院期間は3日間、7日間もしくは10日間です。当外来では呼吸器内科医師がこの入院プログラム適用かの評価を行います。
ご紹介時のご注意
- 初診の場合は、まずは呼吸器内科一般外来へご紹介ください。
- 外来受診日当日に入院することは出来ません。また、ベッドの状況により入院まで期間が開いてしまうこともあります。
- 患者さんの状態によっては入院が出来ないこともあります。
- お問合せは地域連携室(TEL:045-701-9581(代表))にて承ります。
肺がん包括診療センター(肺がん外来)(予約制)
肺がんの患者さんを担当する各診療科、病理検査、放射線科、薬剤科、看護などの多職種が連携して、診断から治療まで迅速かつ正確な「包括的医療」を提供します。検診の結果、胸部異常陰影が認められる方、肺がんが強く疑われる方を対象にした専門外来です。
ご紹介時のご注意
- 「肺がん包括診療センター(肺がん外来)あての紹介状をご用意ください。
- 予約なしでも受診可、予約の場合は地域連携室にて承ります。
血痰・喀血外来
当センターでは痰に血が混じる(血痰)や、咳とともに血液が吐き出される(喀血)などの症状がある患者さんに対し、選択的気管支動脈塞栓術(BAE)を行っております。止血剤不応の喀血や繰り返す血痰でお悩みの患者さんがおりましたら、当外来へご紹介ください。
ご紹介時のご注意
- 初診は毎週木曜日(祝日を除く)8時30分〜11時までです。
- 初診のご予約枠はありません。受付時間内にお越しください。
- お問い合わせは地域連携室(TEL:045-701-9581(代表))にて承ります。
禁煙外来(予約制)
呼吸器内科医師による禁煙外来を開設しております。保険診療の適応の方を対象とし、12週間にわたり計5回の治療を行います。
*現在、禁煙治療薬の一剤が出荷停止、また、もう一剤が入荷困難なため禁煙外来は中止しております。
また、禁煙治療薬の入荷見込みがないため、再開時期は未定です。
ご紹介時のご注意
- 予約制ですが、特に紹介状は必要ありません。
- 外来開設日時は毎週水曜日14時からです。
- 初診のご予約やお問い合わせは地域連携室(TEL:045-701-9581(代表))にて承ります。